ひとつの幸せ~第14章~

どこか懐かしい…、そう感じてしまい思わず見てしまう。あの宮殿はこのような姿をしてたのだろうと思い、じっと見るとズキっと一瞬頭痛がした。
「…っ、何だ急に」ざざっと一瞬脳内に映像が流れるが、ほんとに一瞬で何のかは分からずラディッツは動揺するが緊張から疲れたのだろと思い気を逸らしていると黒い小さな紙袋を先程の店員が持ってきた。
シンプルなデザインながらその紙袋は金でロゴが書かれてあり如何にも高級店のものだとわかるよう。
「商品の方はこちらです、料金の方はオーナーを通して受け取りますので」
「ああ……」ドキドキとしながら受けとり、さてまずはこの指輪を部屋へと持っていき皇嵐たちの元に戻ろうとおもい店を去った。
こっそりと皇嵐の指のサイズは以前はかっておいたし、自分のもだ。あとはそう、プロポーズするだけだ。
皇嵐はどんな反応をするだろうか……、受け取ってくれるだろうか。若いから、と突き返されるだろうか。すこし不安もあるが、前と変わらない。認められるまでひたすらやるだけだ。
もう、自分には皇嵐しかいないから。皇嵐だけだ、と心決めたのだから。

部屋にこっそりとなおし、砂浜へと戻ると皇嵐たちは楽しそうに食べ始めていてラディッツはその様子にほっとして微笑をうかべた。
まだ焼いてる国重の方に近くの店により買い足した、肉を渡す。
「これも焼け」
「あいっっかわらず、刀使い荒いっすよねあなた!」ぶつぶつと文句を垂れながらも、受け取る国重の様子にこいつも文句を垂れながらするよなと他人事のようにみて皇嵐の方へと目線を向ける。
楽しげに翼と話しながらもドリンクを飲み食べている。
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