「…その、海、少し浸かってみるか？。」せっかくの水着も着たのだ、まずは彼女がやりたそうなことをやろうと皇嵐へと声をかける。
神の世界のはわからんが、恐らく宇宙のこちらの世界のには触ったこともないだろうから。初めての体験、初めての海なら彼女がしたいことはどんなこともさせてあげたい。
「ええ、入りたいわ！」自分の言葉に皇嵐はまた可愛い笑顔を浮かべて答えを返してくる。
私の事ほんとわかってるわね、といって。当たり前だろ、どれだけ自分が皇嵐のことを見てきたことかと言葉を返すと彼女は少し頬を赤く染めた。
翼の方を見るとなれたかのように海へと浸かり、バシャバシャと遊んでいる。
「なら、来い。」腰から手を離して彼女の手を握る、急に砂浜へと足が引っ張られる時もあることは幼い頃に学んだ。だからコケないように、安全の為にとゆっくり皇嵐を誘導する。
「キャッ！、冷たいわね」皇嵐は初めての感覚にドキドキしながら入ってくる、驚きながらも顔は笑っているから楽しそうだ。
よかった、彼女が楽しんでくれていて。思わず自分も微笑んでしまう。
「っと、気をつけろよ」やはり沈むところがあったのか、あっと皇嵐が言ったすきに支える。パシャリ、と小さく水しぶきがたち自分と皇嵐の足にかかった。
「…ほんとに沈むわね、なんだか楽しいわ」
「俺は、少し心配だがな。…支えておいてやる。」
「ありがとう。」パシャパシャと足元の水の感覚を皇嵐は楽しむ。冷たく、気持ちいい…これが海なのだと認識した。
創造はしても触れることは無い、戯れることも。今初めて自分は創造したもの出来心地を体感できた。