ひとつの幸せ~第12章~

平然と同じ形をした人間を殺し、何も感じない。ただホコリを掃除しただけ、そのような顔で骸を見る彼。
下級戦士生まれと思えない顔立ちに、冷淡な心。おもしれぇやつと出会いから思っていたが、あれは…
「なかなかやべぇ奴なんだよな。」バーダックに似たんだか、なんだかと改めて思いカリーのほうをみた。相変わらずナッパと楽しく雑談してる。
ーエリート生まれのつながりかねー、ちくりと悋気の炎を心に感じる。楽しげにあいつなんかと話すなよと。
カリーと自分にも実力差は天と地の差以上にある、育ちも。それゆえの劣等感も多少は持っている。だが、だがいつかカリーを手に入れてみせるとターレスは密かに思った。
ーーー
「ついに来たわね!」ラディッツと共に彼の水着とラッシュガードを選び着替えたあと砂浜へと来た。
ギラギラ、と眩い太陽の光が周辺をさしてくる。周りではアベックや家族、友人たちなど楽しんで海水浴を全身で感じてるようだ。翼も続いて走っていき、2人でわああとあたりの光景を見渡す。
「随分とはしゃいでますねー、皇嵐様。」国重は遠目に二人を見て、ラディッツへと話しかける。
当の主は皇嵐楽しんでるの可愛い、となりつつ日光に鬱陶しそうにしていた。
「そうだな、お前も逝ってこい」
「うん、漢字ちがいますよー主。俺様も後で行きますけど……故郷がこのように水の多いところだったので。」尾張の家のことを思い出す。暑くなる時期になると良く、川辺や海へと行き蘭丸が魚を取ってきたりしたものだ。
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