ひとつの幸せ~第11章~

「はいっ!、僕がゴミムシから守ります!!。」唖然、可愛い顔からとんでもない言葉が出てくる。
皇嵐はジト目でラディッツを見るが、それすら当人には可愛いとしか思われない。
「あなたに教育を任せない方がいいわね…」
「なんの事だ」
「ええ、主に任せたら途端に罵詈雑言しか言わなくなりますよ。」これはかなり危うい、と国重は翼の将来を心配する。
さて、と皇嵐は翼の手を優しく握る。
「私たちはそれなら行ってくるわ、チェックインお願いね。」
「すぐ終わらせて向かう。」
「女の子の準備もあるから、少し回っててもいいのよ?。」
「……いや、行く。」皇嵐が他の奴らに見られないようにするためにも。
あいつは本当に自分の見目の良さと可愛さがわかってない、とラディッツは心の底から思った。
「では俺様たちは行きますから。」国重は、ほら早く行きますよとラディッツの背中を押す。
「おい!、バカパクリ!!」
「それでは皇嵐様、またあとで。」
「ええまたね。」国重がいるなら安全ね、と皇嵐はおもい2人と別れた。
ーーー
ホテルから少し歩いた矢先にある雑貨屋へと皇嵐と翼は入る。
カランカラン、と軽やかな木製の音が響き渡りなんだか自然の匂いがしてくるようだ。店内は意外と広く、水着やサンダルそしてアクセサリーや小物までもある。
「綺麗…」皇嵐は貝殻で作られたブレスレットを手に取りながめる。
「わぁぁ!、綺麗ですね!!。皇嵐さま。」
「…ふふっ、海のものなだけあるわね。」
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