再会

そこから月鬼は己の身に起きたことを話した、国重はその話を黙って聞き少しづつ己の主の運命も見えてきたように感じた。それはとても恐ろしく、残酷な未来が。
「(カリグラさんによってか?、それとも…)」いや、あの男は己の主たちのために自ら死を選んだと聞いた。だが、これは恐らく。
「…あの方のか。」皇嵐の伯父の…カリグラの死の原因。
「恐らくだがなぁ、閻魔共の話しぶりから察するに俺たちは生きているだけでも迷惑らしい。」
「そのおかげで俺はこのとおり死んだが…、皮肉な話だ。かつての俺(カリグラ)の力で生きてやがる。」そうか、この男は自身の血縁の力だけではなくカリグラの力までコントロールしてるのかと国重は納得する。
「…あんた、あのやばい人のまでおさえてるのですか?。」その言葉に月鬼葉違うわ、という。
「俺が、あいつにのせられてるんだよカリグラに。あいつは自ら俺にコントロールされるようにと運んだのさ。」決して自分がコントロールしてる訳では無い、むしろやつから自分がされてるようなものだ。
「己の片割れに近づくためにもな、それと…あの女を守るためだろ。」
「月鬼さまっ、お茶ですッッ。」翼たちがお盆に乗せて緑茶を運んできた。
「これは…」匂いを嗅いでわかる、日本の自分が慣れ親しんだ宇治のお茶だと。
「ぱくってきた、懐かしいなら何杯でも飲め。」この人ほんとになんでもありだな、と国重はおもう。ああ懐かしい…
「信長公がよくのんでたものだ。」1口、口に含む彼が味わっていた苦味や甘みが口内へとひろがる。
「…流石は信長の刀、味わい方の作法も綺麗なんだな。」国重は月鬼の言葉に少しの照れが出るが、同時に背筋に寒気が走る。
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