「…ラディッツ、行きやがったな。秘境に」嗚呼、胃が痛くなると二人は頭を抱えた。
ーー
二人の予想は正解だった。ラディッツは、一人で飛んで来ていた。秘境の山奥は立ち入り禁止区域だ。スカウターを付けた戦士たちが見回りをしている。だから、ラディッツは近くまでとんで途中からは歩いていった。
「…ここか。」するとそこには、大きな洞穴と何十ものふだが巻かれたしめ縄があった。
冷や汗がだらだらと出てくる。
（皇嵐に、好かれるためだ…！。悪魔を従わせてやる！）息をはき奥に入っていた。
ポタ、ポタ…と水滴が落ちていく。歩く度にコウモリなどが飛び交い、暗闇が深くなる。
一時間ほど歩いてから、ラディッツは目を見開いた。
そこには、紅い鞘に納められた邪悪な気をだした大太刀が鎖に縛られ封印されられていたからだ。
恐る恐る、近づき抜いた。なんだ案外抜けるなと、思っていたら…
グォォォォ…！、
ラディッツ「はっ…！？」いきなり謎の雄叫びと地響きがなりラディッツはこける。
「…誰だ、俺様を起こしたものは…」声が聞こえる。冷たく冷気を持った声が。上を見上げて、ラディッツは目を見開いた。
洞穴を覆い尽くす黒龍がいたからだ。黒曜石のようにギラギラ光る鱗、銀色の角、目は鬼灯の実を思わせるように赤く輝く。鋭い牙をだし己を見ていた。
「…生け贄か？。」
「違う！。俺はおまえをしたがえるやつだ！！。」
「…うつけか。悪魔をしかも、第六天魔王を、従わせるとは笑わせるな小わっぱ！。」ビリビリと、辺りが響く。だが龍は、はっとラディッツの手に持っている刀に目を見開く。
「…小わっぱ、抜いたのか。封印が弱まったのか…いや、それはない。小わっぱ、鞘からそれを抜いてみろ。」