ひとつの幸せ~第5章~

「あっ、あのっ。」ほんとにいいのですか?、と翼は二人を見送ったあと皇嵐にきく。
「えぇ、いいわよ。それに……あの生意気ラディッツがあなたを連れてきたってことは、なにかあってのことでしょ?。パンケーキは食べれるかしら?。」
「はいっ、好きです………(この人、帰蝶さんに似てる)」なにか懐かしい、と翼はずっと彼女にかんじてた。さり気ない気遣い、ふわりとした花の匂い……そうだ自分の主君の月鬼の想い人に似てるのだと翼は思い出した。
「皇、嵐様は………僕の主の知り合いに似てますね。」
「…翼くんがいたとこのかしら?」
「はいっ、……なんだか安心します。」ふにゃり、と翼は笑う。皇嵐はそれを見て安心してくれてる、と感じてそれは良かったわと告げた。
「お母さん、とかそう行かないかもしれないけど………私のことは近所のお姉さんみたいにおもってくれてもいいわ。何かわからないことあれば聞いてちょうだい、この家はラディッツのだけど……彼は遠征でいなかったりするから。」
「遠征、ですか。確かに主も…あの方も言われてましたね。」
「ちょっと翼くん、あなたあんなくそ生意気なラディッツのことを敬ってるの??。」これは幼子の教育が危ない、あんないかにも邪悪の塊のことを敬うなんて。
「?、はいっっ。…意外と、優しい方だと思いますから。」
「優しい…?。」いやたしかに彼は自分には優しい。だが、記憶をなくした時の態度。そして何より先程までのカリーたちへの対応………。
「(優しいかしら??、このこの将来が心配だわ!)」皇嵐はもう翼への教育を考え始めた。
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