ひとつの幸せ~第5章~

「ラディッツは今日帰ってくるのかしら……」1人ポツリ、と皇嵐はつぶやいた。
「普段通りならそうじゃないっすかねぇ、皇嵐さま。どうしました?、寂しいのですか?。」
「そうね、騒がしい人が一人いないと少し寂しくなるわ。」お茶を1口飲みながら皇嵐は国重へと答える。
「(こりゃ随分と素直に)そうですか、それは主が聞いたら気分上がりますわぁ。」
「そうね、今日はカリーたちと一緒らしいじゃない……盛り上がってるでしょね。」
「さあ?、それはどうでしょ。貴方様が居なくて文句言ってると思いますよ。」
「…また迷惑かけることに…」皇嵐様、と国重は声をかける。
「…ひとつ、お話聞いてもいいでしょうか?。」
「何よ、畏まって。」
「……最近次元の歪みが酷いことに気づかれてますか?。」そのことばに皇嵐はビクッとなる。
「……えぇ。」それはきっと、己を探そうと伯父がしている事だろうと皇嵐は思う。
伯父はいたく自分のことを気に入ってた、その上で今の地位を用意してくれた。自分もそのことには感謝してる。
だが、こわいのだ。伯父の自分を見る目が歪み、淀んだ愛憎の目。皇嵐はそれが怖くて、カリグラとの約束を出し離れたのだ。
「俺様は決してあなただけが悪い、とは言いたくありませんよ。ですがココ最近変なのは明らかです。」
「……そうね、そもそもあなたの存在があるもの。」
「俺様の場合は元主…とはいいたくありませんが、信長公のがありますから。それと、カリグラさんのね。」
「……彼の事ね」カリグラ、最近聞く名前。カリーがまさかあんな質問してくるなんて、そして国重までもまさか今言ってくるとは。
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