慟哭

俺の心に誰かが説いてきた
"お前は何が欲しい"
俺は答えた
"このくそったれた世の中を全て消し去る力が欲しい"
相手は言ってきた
"ならば、お前は俺を受け入れろ"
"己の運命、何もかもに逆らえ"
"全てを破壊しつくしまでな"
聞いたことがあるような、無いようなそんな声だ。
だが俺にはわかる、この話しているやつは他でもない"俺"だ。いや、俺の魂そのものだ。姿は見えて、感じた。長く鋭いハリネズミみてぇな髪に灰色や銀の角を生やしオッドアイの男不気味に笑ってみてきやがる………。
嗚呼、これが本来の俺かとおもった。
"受け入れてやるさ、何もかもを。帰蝶を奪い去ったものどもを消し去るまでな"。
月鬼の髪の毛が銀色になっていく、そして顔の上半分にあった不気味な痣はなくなり、代わりに反転目と龍のような赤の瞳孔を手に入れた。
「……なんだっ、あれは」皇はみる、天魔鬼神その者の伝わったすがたではある。だが、この身に纏う力はなんだ。
絶対零度のような何もかもを全て凍らせる殺気、そして相反するようなあらゆるものを燃やしつくしかつて崇神魔縁が使った煉獄の炎のような灼熱の怒気。
「………あーーー……胸糞悪い、胸糞悪い。」火柱が落ち着き、その場から姿の変わった月鬼が出てくる。
「何もかもだ、どうでもいい………いや違うな滅ぼしたくてたまらねぇなぁァ!!!!」くちがありえないどに広がり、狂気的な笑みを浮かべて皇たちをみる。
「なぁ!!?、皇ぃ!!!!。飼い犬にしようとした野犬に噛まれてみるかッッ!!!」ガラスの割れるような音が響きわたる、彼に着けていた手錠が…かつてカリグラにも付けられてた封印の鎖が割れたのだ。
片割れの魂の力で、月鬼は今己の怒りと感情そして相反する冷徹さによってカリグラの力の一部と先祖の呼び出されようとしたものを見事に制御してみせたのだ。
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