慟哭

重虎の本拠地へと攻める前日の時夕方頃、自室にて月鬼は帰蝶へと密かに渡した鈴の様子がおかしいとなった。
「…あれはGPSみたいにもしてんだがな。」見ようとするとなにか妨害があるかのようになるのだ。
「めんどくせぇな……」外へと確認しに行くか?、と月鬼は頭をかきながら考えた。
「ねえ、主」がらっと部屋の扉を開けて光忠が入ってくる。
「…気の所為か分からないけど、村の中心静かじゃないかい?」重虎さんの所へのは明日だよね、と光忠は確認をしてくる。その表情はどこか胸騒ぎを感じてそうだ。光忠にしてはこの顔は珍しいと月鬼はおもう。
「…言われてみればそうだな……」そういえば、昼過ぎは普段通りというか鍛錬の声掛けや話し声など聞こえてきてたが今はない。普段なら食事の準備や分家または本家の子らの帰りの声が聞こえてくるのに。
「………光忠、お前は何かあると思うか?。」
「…僕は、なにか起きてるんじゃないかと思うんだ。長谷部くんに声をかけて、今少し様子を見てきてもらってるけど。」
「いや、俺が行く。」
「え?!、ちょっと待ってくれ!!。いくら長谷部くんがっ」行ってるとはいえ危険だよ!、と話そうとしたとこ主!!!と尋常ではなさそうな長谷部の声が廊下から聞こえてきた。
「どうした長谷部」
「っっ、主!。今すぐお父ぎみの屋敷へと行かれてください!!。」
「……なんだと」あまり会わない方がいいのでは、とよくいう長谷部がなぜ。
「今すぐにですッ、とにかく!。おそらくっ、帰蝶様がっっ」その言葉に月鬼はドキリとする。帰蝶が??、もしかしてとなり長谷部が続きを言う前に月鬼は駆け出した。自らに転移の術をかけて。
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