慟哭

おはぎを食べ終えたあと、帰蝶は光忠からよかったらと晩御飯のあまりの肉じゃがをタッパーに入れてもらった。まだ食べ物の暖かさはありあったかい。
「落ち着いた時に容器は返してくれたらいいから。」
「あっ、ありがとうございますっ。」
「うん!、いいよ。主のこと……よろしくね。あなたの方が分かると思うけど、無茶をする方ではあるからさ」
「…はいっ。」光忠と話をしたあと、月鬼が帰蝶の肩を抱き転移の術で帰蝶の家の前まで行く。
「…身体、冷やすなよ。」
「うんっ、ラディッツもね??。今度、デートしようよ。」
「ああ……まあ、言うてこんなド田舎にデートスポットなんてねえけどよ。」
「ふふふっ、シゲちゃんがいってた秋夜月村に行こうよ。温泉あるらしいし。」
「…あーー、あそこか。おうよ……今度な、そのッ…お前が良ければ一泊してもいい。」
「え?、あっ…うん。良ければ。」
「2人っきりで、な。シゲのことは呼ばねえぞっ。」
「ふふふっ、分かってるよ」またね、と帰蝶が家へとはいろうとしたとこ月鬼は先程の仕返しだと言わんばかりに抱きしめてキスをした。
「っは……他の男のことなんか見んじゃねえぞ、またな。」
「っっ……うんっ、またね。」玄関を開けて家に入ったとこチャリっ、と自分のスカートのポッケの中から軽い音が聞こえる。
「なんだろ………鈴?」赤と黒の紐が交互に編み込まれ先に銀色の鈴が着いたキーホルダーだ。魔除けとして渡してきたのだろ。
「……ラディッツたらっ、何気にこういうたらしなことするよね。」もうっ、と軽くいい帰蝶はただいまーと自室へと向かった。

「………見つけた」だが、この2人は見るも無惨に引き裂かれることになることを誰も知らなかった。
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