慟哭

「え、まっ、まって。ラディッツ、あなたっ私の事好きなの??。」
「っだからいってんだろ!、俺はお前のことが好きだと。一目惚れからずっとな。」
「…シゲちゃんかと思ってたからッ、そのっ…だってラディッツすごい仲良くしてるしッ。」
「はぁ!!?、あんな人格破綻者のことが!?。嫌だぜ!、俺は。」
「……私で、いいの?。ラディッツとはその、境遇とか違うしこうやって一緒にご飯食べたりとか…」
「お前だからだ、俺はお前がそうやっておはぎとか食ってるとこ見るの好きだ。境遇が違うからこそ、俺からするとお前の魂や色々なものが綺麗に見えるんだよ。」
「…シゲちゃんみたいに力もないし…」
「関係ない、あいつは俺にとって兄妹みてえなもんだ。俺は、自然と人のことを気遣えて呪術師でもなく鬼としても見てこないお前に惚れてんだ。俺個人としてみてくれてるんだろ?」
「………うん」こくり、と赤く頬を染めて頷く。
「ならそれで充分だ、わりぃな突然そんな話をして。ほれ」一口サイズのおはぎをひとつ掴み、帰蝶にたべさせる。
「んぐっ、…………美味しいっ。」
「やっぱお前、可愛いな。あー言えてスッキリしたわ、まっ答えは待つぜ。俺は。」
「…ううん、今伝えるよ。」月鬼はその言葉にどきっとする。振られるのか、どうか……彼女の言うとおり自分たちは違う世界のものだ。自分と付き合うということは、こんな汚くドブのような呪術の世界に入るということになる。
だから答えは待ってる、と話した。
自分も彼女に振られた時の心を作るためにも。
「……私も、ラディッツのこと好きよ。こわくて、いえなかったのっ」えへへ、と笑い彼女は伝えてきた。そんな不安げな自分の気持ちを飛ばすように。
10/23ページ
スキ