慟哭

なのに、封印を楽しむ神がいるのにその神が娘のように可愛がる重虎を殺すと言ってるのだ。
「俺も友人を殺したくはねえ……、ただの親子喧嘩じゃ無くなりそうだからだ。」色々な家が来る、それを自分は止めなくてはならない。
「だからいいな?、明日からは特にだ。」
「…ねえラディッツ、それは大丈夫なの?。シゲちゃんのことも私は心配よ、だけどっ」
「…俺は何とか生き残るさ、そもそも相手にはならねえし。」だが、お前を守れるか心配だからだ。
「う、うん……わかった。」
「ありがとよ」ぽんっ、と帰蝶の頭を撫でる。
「…それならさ、一緒にデザート食べよ?。暫く会えないのは、寂しいから。」
「…そうだな、俺はお前と会えないの寂しいよ。なぜなら………」今言ってしまおうか、どうしようだが後悔してしまう前に。ほら、とデザートを出してくる帰蝶に対し真剣な顔で月鬼は話す。
その声はふぶく風と共に彼女の耳元へとこえがとどく。
「帰蝶、お前のことが好きだ。ずっと昔からな……愛している。」
「……え?」ゆっくりと自分の頬が赤く染っていくことを帰蝶は感じた。先程まで少し寒いと感じていた風が気持ちいい、と感じるほどに熱が上がり鼓動も早くなる。
「…男としてだ、お前のことを愛しているッ……あーー恥ずいな、これ。」月鬼の夜空のような瞳は少し潤みながらも帰蝶のことを真剣に見る。
自分は死ぬ、とは考えていない。だが何かあるだろうとは覚悟している。もしものために、万が一のためにエゴなのは百も承知だ。
だけど伝えたかった、今だからこそ。
「だからよ、お前がそのなんだ…会えないあいだ答えを考えててくれや。」
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