慟哭

2人揃えば強いのかもしれないが、心の底から考えがあわんと月鬼は嫌っているのだ。帰蝶自身は2人の仲が心配だった。
「おじさんは、ラディッツとなにかしたいんじゃないの…」
「……重虎のことだ。」
「シゲちゃん??、おじさんシゲちゃんとは昔遊んでたじゃない。」小さい頃、よく強薙は重虎とあそんだりなにか術を教えたりしてたなとふと思い出した。
「なに??、シゲちゃんを誘って遊ぼうとか?。」
「そんな、呑気なものじゃねえよ……。」
「親父は俺に、

シゲを殺せと言ってきたんだ。」
「え??」
「あいつが最近強くなってきたのは帰蝶、分かるか?。最近学校に通う回数もへったろ。」
「う、うん……」
「実はーーー」月鬼はそこで帰蝶にぽつり、ぽつりと吐露した。自分が以前崇徳院の封印を断ったりしたこと、それにより軽いトラブルがあったこと(月鬼目線で)。力を着実につけてきた重虎が厄介となり、呪術師総出で潰しにかかることになったこと。
そしてそこに自分も参加しろ、と父親に言われたことを話した。
「一応当主の俺には、事後報告でだぜ??。頭イカれてんだろ、ははっ」
「……おかしいよっ、シゲちゃんはまだ高校生だよッ??。力あるとは言えっ………そんなの、おかしいよ…」
「ああおかしいさ、気が狂ってやがるさッッ!。」10年以上前に学んだばかりだろ!!、と月鬼は叫ぶ。
「あの師匠を怒らせてみろ!、次こそ俺たちは死んでしまう!!。」
「……シゲちゃんのご先祖さまだっけ、ラディッツの師匠は。」
「そうだぞ、俺の師匠は親父でもない。あの人だ。」あの人は封印の状況すら楽しんでる、と話す。
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