ひとつの幸せ~第4章~

深く入っていくと、一つ人の塊が見えてきた。
そこには先程カリーたちに倒されていたこの星の兵士達6人が何かを蹴っている。
「このやろう!、やっぱうわさどおりなのかよ!!」
「不気味な髪色と刀をもちやがって!、ゆき先々の星を滅ぼすなんて本当なんだな!!」髪色と刀…?、良く見ると兵たちが蹴っている子供はまだ幼く六つくらいだ。
髪色も少し薄い水色で暗く、たしかに珍しいものだ。ぎゅっ、とその子供が抱えているものを見るとなるほど刀だ。しかも国重と似た感じの。彼らがいうように不気味な雰囲気を放っているが、どこかその子供を守ろうとしている感じであった。
(不幸を呼ぶガキか…?)そんなのあるのであろうか。だが、眺めているのはつまらない。兵士が子供を殺そうとした瞬間にラディッツは国重を振るいその六人をまとめて殺した。
死んだ兵士の血に濡れた子供は呆然とラディッツを見る。
「……あっ…」子供は何を思ったのか己を恍惚的な目で見てくる。その瞳に少しくすぐったい思いをしながら聞いた。
「……ガキ、おまえ…親はどうした?」
「…………い、ない…ぼくはその……この、前の前の星に…いつの間にか家にあった刀といて…ずっと、1人で…」
(いつの間にか?)国重のような感じであろうか。あの刀もいつの間にか母星を離れ渡ってきたと言っていたのだから。
「…そこから渡ってきたと?」
「………うん、ずっと…僕が来る度にその星は滅んでいってここも…」
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