共に生きていきましょう~第12章~

15分ぐらいたって、やっと皇嵐が泣き止んだ。恥ずかしいのかなかなか自分から離れようとしない。
あんなに泣いたのだ、それも仕方ないであろう。
「……落ち着いたか」彼女の頭を優しく撫でながらラディッツは問う。するとこくりと自分のなかでうなずいた。
「…ごめんなさい、迷惑をかけたわね。」
「構わん、なにかあったのだろ」ここで、という言葉に皇嵐は驚くがいいえと嘘をついた。
「たっただ少し昔を「だから何かあったのだろ」!」顔を覗くと少し顔をしかめていて不機嫌そうだ。
「…あれほど泣くからな、少し昔を思い出したと言うだけではないだろ」
「…なんでっ…!」そんなわかった風に言えるのよ、あなたは知らないくせにと嫌みを吐き捨てるように呟く。
その言葉にラディッツは顔を歪めながら答える。
「…っ、それは…お前がっ…!」
「大体あなたおかしいのよ!!、私を拒否してたのになんで近づくのよ!。なんでっ、いきなり優しくしてくるの!!!。」皇嵐はおもいを一斉に吐き出す。どうせ今日の別れだ、ぶつけてもいいだろうと考えてだ。
「昔のことを知っているから!?、それともカリーの女だと思ってるからなの!。あなたはっ……!」言葉をはいているとよぎる、あのおとこのことが。カリグラのことが。
でも、それより何より。
「そうやってなにもかも隠してなにも言わないでしょ!。」過去のことも、想いも。なにもかもを。
はじめて知った、カリーたちへの感情も。親へのも。
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