共に生きていきましょう~第11章~

では、カリーたちの…?。それとも違う。懐かしくあたたかい…でも自分が求めていたような。暖かくて、そして包み込まれるような優しさの光景。
「まだ眠たいの?」はっ、と感傷から覚ますと目の前に皇嵐の顔があり驚いて目をそらす。
「…っ、何でもない。」心臓がうるさくてなって鬱陶しくてたまらない。だけどそこまで嫌な感覚ではない。
「…そう。もう準備したから食べていいわよ、あっ食べ終わったら洗面台に置いてて。」
「……皇嵐」
「…なに?」部屋を去ろうとした彼女に声をかけた。声をかけるだけでも緊張して震える。
そして先日国重と話したことを思い出して伝えた。
「その、今日午後は時間を空けていてくれないか」
「……いいけど。どうして…?」不思議そうに聞いてくる。好奇心に満ちた目を向けられて戸惑いながら答えた。
「…連れていきたいところがある。」
「連れて「とっ、とにかくだ!。午後は空けておけ!!」!?」一気に用意されたものを食べて、ラディッツは自分の客室に急ぎ足で戻った。女を誘ったこともないラディッツにとってこれ以上言うのも恥ずかしくなったからだ。
「……彼、いきなりどうしたの…?」皇嵐はそんなラディッツの反応に戸惑いと疑問を隠せずにはいられない。
(あの人はもう、私のことを好きじゃないはず)自分のことを忘れてしまっているのだから。そしてむしろ憎くなっているはずなのに。
こうやっていっしょにいてくれるのもカリーかあるいはターレスにまかせられたからのはず。
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