二千年前の惑星ベジータ…。当時の王は゛ベジータ″ではなかった。
ベジータの家臣だった男であった。惚れている女…神に振り向いてほしいからという理由で、ベジータに離反して在位を奪い王になったのだ。
「…俺が死ぬ？。」その男は惑星ベジータのサイヤ人にはめずらしい格好をしていた。黒く銀に輝く南蛮鎧に、紅いマント…彼の長い髪によって、後ろは見えないが大猿に薔薇のいばらが絡む紋章が施されている。
だが、彼の姿も通常のサイヤ人とちがったのだ。左右色が違う目に灰色の角。…魔王を思わせる雰囲気の持ち主であった。彼の名はカリグラ＝ガイウス。当時の惑星ベジータの王だ。
そして、今彼と話しているのは彼の悪魔…アンリだ。
「そうだ、カリグラ…そなたに言わなかったが…」
「例え神たちを越す強さを持とうと、あの銃があるかぎり死ぬ。」カリグラは、彼の言葉を聞くとくくっと笑い、アンリに答えた。
必ず死ぬ、か。そのような言葉いつぶりに聞いたであろうか。
「…創造の前に破壊あり、か。あのビルスがいっていたな…まぁどうせ、予想はしていたことだ。大方、俺を殺すのは…ベジータだろ？。俺に恨みを抱くやつは沢山いるが、無鉄砲に挑むのはあいつしかいない。」金で施された窓により夜空にまばゆく星を見ながらカリグラは、つぶやいた。
「…お前が俺に教えたのは、俺がそれをはねのけることができるからだろ？。」