共に生きていきましょう~第9章~

仮に戻らなくしても"皇嵐"という女への恋心に気づかせるために。
聡いラディッツのことだ、供にいれば気づくであろう。
「カリー、お前ならわかるだろ?。ラディッツの異常な皇嵐への執着は。この短期間に気づくはずさ」あいつならな、と不敵に艶やかに笑いターレスは自信満々に朗々と告げた。
カリーは目を細めてさすがだなと思う。ラディッツとターレスは幼馴染みだ。自分よりも付き合いは長いし、理解してないはずがない。
この時を狙っていたのだ、この男は。自分があそこを離れて彼らを二人っきりにできるときを。自分より下だ、と舐めていた。ターレスは己が思っているより強かなのだ。
「…やるな、ターレス…」
「お前が教えただろ。容赦はするな、隙をつけってよ」自分が思っていたより彼は成長しているのだと確信するしかない。
ああ、これが子に越された親の気持ちなのだとカリーは苦笑を浮かべて思う。
「…ほんとに、やってくれる野郎だな…!」
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