共に生きていきましょう~第7章~

しゃがみこみ、視線を合わせる。髪を一房掬いとり口づけた。
「…っなにを…!」パシッ!!、カリーの手をはたき距離をとる。
悲しげな目をしているが、そこには確かに自分に向ける恋愛の色がある。
本当に隠していたのだ、彼は自分への恋情を。なんてポーカーフェイスが上手い子なのだろう、母親似だとみていたが…兄の隠し事が上手い兄にそっくりではないか。
「…これさえも許さないか、さすがは神様だ。一人の相手にしか体を触れさせないってか?。」すっと目の色が変わる、そこにはまさにラディッツと同じ捕食者の目があった。
黒い沼のように夜空より暗い色の、嗚呼彼は本当にあの男を育てたものなのだと確信せざるを得ない。
冷静に考えればラディッツに刺激を与え、戻させると言うのはひとつの方法だ。
でも、彼と付き合うと言うのは少し傲慢で卑怯な気がしてならない。
「…っ付き合わないわよ…!。私は」だって、自分にとってカリーはあくまで甥っ子なのだから。そして、ラディッツの友人なのだ。
「ラディッツを一途に想ってるな、可愛い女だな。…まぁ、あくまでひとつの提案だ。手は出さないが…口説かせてはもらうぜ。…この辺りはよく獰猛な獣が出る、気を付けて戻ってこいよ。」先に帰るわ、とカリーは立ち上がり去っていった。
自分はその背中を見ながら、どうしてこんなことにと混乱せざるを得なかった。
「あなたの息子はっ…あなたにそっくりよ、邪皇兄様。」
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