共に生きていきましょう~第7章~

そのなびくかみの美しさに、皇嵐は彼の知らない彼の父であり自分の兄のことを思い出す…
横顔は兄にそっくりだと。
「…ラディッツはよくうそをはくやつだ。人を信用していないからな…そもそも人のためにっていうこともしない。だが、お前のことだけは別だ。あいつがお前に言う言葉は嘘ではない、すべて真実だ。」
「…真実なのね…」あぁ、とカリーは頷く。
「本当にあいつはお前に恋をしているからな、だからあんなだだッ広い宇宙のなか探したんだぜ?。あいつの口癖でな゛俺は皇嵐を守るためなら、プライドも地位も名誉もすべて捨ててやる″、゛皇嵐は俺のすべてだ″って。」カリーの言葉に皇嵐はそこまでラディッツに愛されていたのだと感じた。
彼は確かによく自分に愛してると言ってきた。自分を照れさせるための冗談ではないかと少し想っていた。
しかし、それはすべて本当に自分を愛
してるから言っていた言葉なのだ。…また私は、カリグラの時のように疑いをかけていたのだ。愛してくれていたのに。
「…バカ生意気っ…!」不器用で愚直な彼の求愛行動だったのだ。
禁断だと、賢い彼はわかってながらもしていたことなのだ。
なのに、今さら気づいてしまったのだ。失って初めて…神でありながら。
皇嵐は膝を崩して泣きじゃくる。神であるものが、一人の男を思ってまるで人間の女のように。
「…なぁ、皇嵐。ひとつ提案あるけどいいか?。」真剣な顔を向けてカリーは、言ってきた。
涙を拭き取り顔をあげるとまた苦笑いして皇嵐の頬に手を添える。
「…なに…?」普段の彼からは思い付かないほど真剣な黒い瞳に吸い込まれる。でも、よく見ると顔が赤い。
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