共に生きていきましょう~第7章~

確かに自分の神の力を使い思い出させることは可能だ。
けど、してはいけない気がする。彼自身の力で思い出させるべきかもしれない。可能性の低いことであることは百も承知だ。
でも、かけてみたいのだ。彼に。自分を探してくれて、選んでくれた彼に。
ギュッ、と昔ラディッツに上げたものと同じ青い石の首飾りを握りしめる。
「…信じましょう…彼を。」自分を愛してくれた彼を。
だって彼はこの広い宇宙のなか自分を見つけ出してくれた人なのだから。
「こんなとこにいたのかよ、皇嵐。」よっ、と後ろから声が聞こえてきた。振り返ってみると、Tシャツにジーパンとラフな格好になったカリーがいる。
「…かっ、カリー?。何で…」
「いや、ここは星の眺めがいいからな。たまたまだよ。」目を細めてカリーは微笑しながら皇嵐のとなりに立った。
「ラディッツが失敗して着陸したとこだろ?。」
「…なんで…!」
「それもたまたまさ、そんときにスカウターでな。」あいつの帰り確認しないといけないからな、とカリーは苦笑いして言う。
皇嵐は少し顔をうつむかせるとラディッツとの場所なんだろと話してきた。
「…えっ」
「顔にかいてあるぜ、あいつとの思い出の場所ってな。言っておくが俺がこの場所を知っているのはラディッツからってわけでもない。俺はよくこの星を回っているから知っているだけさ、…あいつみたいに人のためにってのでもないさ」夜空を見上げながら儚げに言う。
白銀の髪は夜風に靡かれ絹のようにさらさらと流れる。
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