共に生きていきましょう~第7章~

「…お前っ…なにを…」ターレスはラディッツの言葉に驚いて聞き返す。
国重の言葉を汲み取れば彼は皇嵐のことなんか聞きたくないはずだ。
ラディッツはそういうやつだ、嫌いなやつの名前はおろか関連することなんか聞こうともしない。
なのに、聞いてきたのだ。記憶をなくし気にくわない対象の皇嵐のことを。
「あいつの泣き顔を見たら…嫌な気分になったからだ。」そうだ、そんな顔を見たくないと知らないはずなのに無意識に思ったのだ。感じたのだ。
カリーたちがあの治療のあと疑問で聞いてきたことから、自分にとってあの女は特別なものであったのではないのかと思った。
でも…苛立ちも沸き上がってくる。わからない自分とその女に。
「…なぁ、カリー。あいつはなんだったんだ?。俺にとって。」
「……」カリーはまさかの問いに驚きと同時に哀れだと感じざるを得なかった。
気づけない彼に、そんな想いを愛だと気づかない人に。
だから、気づかせよう。
「自分で察しろ、バカラディッツ。確かに皇嵐はかつてのお前にとって特別な存在だった。…だからこそ、おまえが自力で思い出せ。国重、無駄な手出しはすんなよ。ターレスは…いいか」
「あ?、オレだってお前と同じ考えだからな。サポートはするが答えをやるつもりはぁ…毛頭ないぜ。」ターレスもため息をつき頭をかきながら答えた。
「…俺様もそのつもりではありますよ。主とはいえまだ子供、身から感じていった方がいいでしょうから。」
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