共に生きていきましょう~第3章~

一瞬、ほんの一瞬だけだが彼女が見せたこともない悲哀の色を込めた表情をしていたからだ。
「なっ、なわけないわよ!。…あなたに前話した人のことでしょ?。ただの知り合いよ…彼は…」皇嵐は、はっとしてラディッツに反論する。でも彼はという時の声と表情は明らかに悲しみを含んでいた。
嗚呼、彼女はその男を愛していたのだ。ずっと、愛していたのだ。
(妬けるな…)その男に。今は亡き男に、妬いてしまう。彼女がまだ想っている人。心の一部を支配している男。こいしたう人を奪い取られたおなごのように嫉妬の炎を燃やしてしまう。亡き人なのに…。もう、いないはずの男に。
「…ただの知り合いなのか?、本当に。」ラディッツは顔をしかめて皇嵐に返す。そんなただの知り合いに対してそんな顔を浮かべるかと。
「えぇ、ただの知り合いよ。」さらりと言い返す皇嵐に、ラディッツは嘘をつくなと問いただしたくなるが気持ちを押さえ込みそうかと返事をする。
「…皇嵐」
「なにっ…!?」自分を見て来た皇嵐の隙をついてラディッツは、キスをした。軽く重ねたあと、また…と繰り返して深くして押し倒す。
「…シようぜ、ここで。」
「なっ、なにいってるの!?。あなたここ外よ!。」人が来るしダメ!!、と皇嵐は力強く反論するがラディッツは来ないと答えた。
「この山は基本誰も来ないところだ、だから心配はいらん。」
「言いながら人の服を脱がさないでくれないかしら!。」
「あ?、なんだ着衣のままがいいか。」
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