共に生きていきましょう~第3章~

付き合う前にいっても彼女のことだ、戯れ言だと付き合ってくれない。だから付き合って、恋人となってから見せたかった。
「それで、なの…?。連れてきてくれたのは。」
「それだけだ…、あとは前にも言ったが家にいるのも疲れるだろ?。気晴らしにもいいと思ってな。」お前と二人っきりでいたかったからな、とラディッツは普段は見せないような照れ臭そうな表情をして笑う。
「……」皇嵐もつられて恥ずかしくなり顔を隠す。結局彼に敵わなかったかもしれないと心で思う。ここまで自分のことを考えてくれて、しかも子供の頃に話したことを覚えてくれている。いつもあんなにハチャメチャなのにそこには彼なりの気遣いがある。
こんなの、気づいてしまえば惚れてしまう。
(彼なりに私のことを考えてくれてるのね…)チラリ、と彼を盗み見ると黙って夜空を見ていた。でもその表情は自分のように綺麗だと思いながら見る感動の色ではなくどこか悲しそうだ。
普段見せている傲慢で冷酷な彼からは予想ができない色なのだ。
そして皇嵐は、はっと思い出したラディッツの前髪を下げたままにしていることに。
ばれたら何をされるかわからない…混乱しているとラディッツが言ってきた。
「…お前だろ?、前髪を下げさせたのは。」声には怒りの声はない。寧ろ喜んでいるような呆れているような感じだ。
「えっ!?。」
「お前、恋愛ごととなると分かりやすいな…」くくくっ、と笑って皇嵐に言う。もとから気づいていたぞと付け加えて。
9/13ページ
スキ