「…ずいぶんと大きく出たわね。」
「そのぐらい、俺の生まれ変わりがいい男なんだよ。いいか？。」させてもらってもな、とカリグラは皇嵐に聞き返す。
「いいわよ…、あなたからの最後の頼みだし最後に聞いてあげるわ。名前は何て言うの？。」髪の毛を耳にかけながら、皇嵐はカリグラへと問う。あなたほどのいい男なんてそうそういないわ、と思いながら。
「…゛ラディッツ″。サイヤ人最下級だ。」最下級…。
「あなたと同じなのね…さぞかし、憎たらしい子でしょうね。」カリグラは皇嵐に黒いドレスを渡してぽつりと小さくつぶやいた。
「…それはもう一人の゛ラディッツ″だけどな。」しかしそれは、彼女の耳には届かなかった。
「じゃあね、カリグラ…。サイヤ人の皇帝。楽しかったわ。」いつのまにか彼女は、扉のとこにたって妖艶に笑んでいた。
カリグラはその笑みに見惚れたが、負けずに勝ち気に艶やかに笑み皇嵐に言った。
「また会おう…、最初で最後に惚れた女。」近づき、彼は彼女の手の甲にキスをした。彼女への恋心、執着、感謝を込めて。
そして、数日後…

サイヤ人の皇帝・カリグラは銃に撃ち抜かれ死んだ。カリグラの弟…ユリウスの一族は、辺境の地に逃れ助かったが身分は一気におとされガイウスの名もとられた。
細々とその血を絶やさずサイヤ人の王の一族であったことも語らず、生きた。いやむしろかつての栄光を忘れていったのかもしれない。
やがてある男が生まれて、かつての地位には近くなってきた。その男が女と結婚し、一人の子供が生まれた。そうそれこそが…かつての皇帝の血も継ぎ、皇帝を封印された器で生まれ変わりだ。