久しぶり、愛しき君~第6章~

ラディッツが遠征に行ってから一か月経った。
行く直前、ラディッツは皇嵐に自分が予備で持っているスカウターを渡していた。連絡を取るため、とのことだ。皇嵐は最初は断った。万が一で今使っているのが壊れたら大変でしょ、と。そういうとラディッツは笑って俺はそう簡単に壊さないと答えてきた。
結局受け取り、彼女はラディッツと話をしていた。毎日彼は連絡をしてくる、忙しいのではないかと聞けば決まって「好きなやつと連絡するためならどんなに忙しくても時間を作るものだ」と言ってきた。
サイヤ人の割りに彼は人間味があるのだと思い、ときおりあそびにくるカリーたちに話すと。
「あいつはお前にしかそんなとこ見せてないぞ」と言われる。カリー曰くラディッツは、通常のサイヤ人より感情表現が少ない。だから敵に対しても手段を選ばないし、母星が崩壊したときも彼は悲しむことはおろかなにも言わなかった。
(私にだけ…ね)それは確かに嬉しいことでもある、でも寂しくないのであろうか。何も感じず生きていくと言うことは。
そう考えているとスカウターが鳴り出した。
ラディッツからだ、と思い出るとやはり彼であった。
『今は大丈夫か?、話しても』
「あなたみたいに遠征に行っているわけでもないのよ?。大丈夫よ」
『それもそうだな!、皇嵐…いまから戻ってくる。無事に制圧も終わったからな…』少し気を抜けたのかラディッツは、軽く息を吐いていることがスカウター越しにもわかった。
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