一度失敗するとそれは連鎖を生む。失敗を引きずってしまう。失敗をカバーしたくて感情的になる。感情的になった結果更なる失敗を生むのだ。

1限にスネイプ先生の講義だった。朝の事にお怒りのようでみみっちく当てられた。舌打ちしたら聞こえてたようで10点減点された。
2限目に向かう途中、同じ学年のグリフィンドール生にからかわれ廊下のシャンデリアに吊るした。たまたま通ったスプラウト先生に目撃され5点引かれた。
2限は誰も話しかけて来なかったので居心地が良かった。昼休みはマルフォイ君と取り巻きに睨まれ、マルフォイ家に取り入りたい先輩方に小突かれたのでお礼をして差し上げた。
スネイプ先生にチクられ25点減点になったうえに、レポートの罰則までついた。糞なのでは？
3限目はグループで課題を出され、レタシーとドレッドは早々に謝ってきた。使い勝手の悪い友達（コマ）だこと。5人でグループを作らないといけないのでウェーベルとバスティアに入って貰った。
ウェーベルとバスティアは私を盲信している生徒で純血に準じる家系の男子だ。どちらもよく働くし、無駄口も少ない。比較的役に立つお友達（コマ）。まぁ、課題をこなす上では4人とも役に立ったよ。早くに終わったし。だからって次のクラスの準備をさせられるのは解せぬ。

そんなこんなで全ての授業が終わり、私はマクゴナガル先生の部屋へ向かった。
『先生、失礼します。ロロ・ポッターです。』
厚い木の扉を叩きながら声をかけると、中からマクゴナガル先生のご機嫌な声が聞こえた。部屋の中に入ると、洗練された家具や貴重な調度品が飾られ優雅な印象を受けた。
「そこに座ってくださいMs.ポッター。」
促されるままに椅子に腰かけると先生が紅茶を出してくれた。先生は流れるように私の前の椅子に着くとニコニコと紅茶を口に運んだ。
『ご用件はなんですかマクゴナガル先生。』
「えぇ。もう知ってるかもですが、Mr.ポッターにシーカーの推薦をだしました。それで貴方には伝えておくべきだと思いまして。」
やっぱりその話か。流石に良いですよとは言えないんだけど。
『先生、私は反対ですよ。危険過ぎます。ハリーはいつ闇の魔法使いに狙われても可笑しくないんです。危険は可能な限り排除すべきです。』
「ハリーはホグワーツの生徒です。才能のある生徒には平等にチャンスが与えられるべきです。それを言い訳にしてはいけません。それに何かあってもダンブルドアと私たちがついています。大丈夫ですよロロ。」
ずるい。私の断れない言い方をわかってて言うんだ。クィディッチの試合には杖を持ち込むことはできない。試合中に何か有れば選手（わたしたち）逃げることしかできない。ハリーを守れないかもしれない。ずるい。ズルい。狡い。
それならいっそ……。