小夜左文字と金魚
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小夜の話
僕は此処に比較的早く来た刀だ。山姥切さんと秋田しかいなかった時に来たのだ。本丸の出来た最初の日。主が小エビの入ったお粥とみかんのゼリーを作ってくれた。あれから2年が経って主が料理を作ることはほとんどなくなった。
また主の料理を食べたいと思うのはわがままだろうか。兄様たちに相談しても主が料理する事を知らなかったみたい。主の料理が食べたい。
椎名の話
本丸が出来て2年が過ぎた。私のもとには多くの刀剣たちが来てくれて感謝しかない。これからも頑張らねばと思って居ると江雪さんと宗三さんが来た。2人だけで私の部屋に来るのは珍しい。取り合えず座らせ、お茶を出そうと席を立つと宗三さんに止められた。
「お茶は用意してあります。そんな事よりお小夜のことです! 」
『ちょっと待って。心当たりが有りすぎてわからないから』
何の事だろう……。本気で考えていると、江雪さんが渋い顔して口を開いた。
「……言いたいことはいくつかありますが主、
料理はできますか?」
『出来ないことは無いけど人並みだよ? 』
江雪さんは宗三さんと目配せをすると此方に改めて向き直り、江雪さんらしいゆっくりとしっかりした声で話し出した。
「……お小夜があなたの料理を食べたいと言っていました。私はお小夜の望みを叶えたいと思い、今日ここへ来ました。」
どうやら小夜くんは私が料理をしていた頃のことを覚えていたようだ。そして、また食べたいと。私が考えてるのを察した宗三さんが追い討ちをかけるように言う。
「お小夜が相談しに来たんですよ。主の料理を食べたいと思うのはわがままだろうかって。普段わがままを言わない子ですから。仮にあなたがやってくれると言うのならお礼をしますよ。」
宗三さんがニコニコしている。あの傾国がニコニコしている。美人過ぎてツラい。気付くと引き受けている訳で。
『もちろんやるよ!やる! 全身全霊をかけて努めさせて頂きます! 』
宗三さんは前払い分の報酬だと少し厚みのある封筒を差し出した。恐る恐る開けると全人類を滅ぼしかねない兵器が入っていた。……小夜くんの写真が数枚鎮座している。かわいい! 可愛すぎる。ヤバすぎるでしょ! 柿を口一杯頬張る小夜くんに、縁側でお昼寝をしている小夜くん、粟田口の子たちとお絵かきをしている小夜くん。……神かよ神様だわ。私は死ぬ前に封筒ごと懐に入れた。
「気に入ってくれたようですね。あなたが本丸中で刀剣の写真を撮ってはコレクションしているのは知っているんですから。」
お願いしますねと言わんばかりに江雪さんと宗三さんは部屋を出ていったのだった。
僕は此処に比較的早く来た刀だ。山姥切さんと秋田しかいなかった時に来たのだ。本丸の出来た最初の日。主が小エビの入ったお粥とみかんのゼリーを作ってくれた。あれから2年が経って主が料理を作ることはほとんどなくなった。
また主の料理を食べたいと思うのはわがままだろうか。兄様たちに相談しても主が料理する事を知らなかったみたい。主の料理が食べたい。
椎名の話
本丸が出来て2年が過ぎた。私のもとには多くの刀剣たちが来てくれて感謝しかない。これからも頑張らねばと思って居ると江雪さんと宗三さんが来た。2人だけで私の部屋に来るのは珍しい。取り合えず座らせ、お茶を出そうと席を立つと宗三さんに止められた。
「お茶は用意してあります。そんな事よりお小夜のことです! 」
『ちょっと待って。心当たりが有りすぎてわからないから』
何の事だろう……。本気で考えていると、江雪さんが渋い顔して口を開いた。
「……言いたいことはいくつかありますが主、
料理はできますか?」
『出来ないことは無いけど人並みだよ? 』
江雪さんは宗三さんと目配せをすると此方に改めて向き直り、江雪さんらしいゆっくりとしっかりした声で話し出した。
「……お小夜があなたの料理を食べたいと言っていました。私はお小夜の望みを叶えたいと思い、今日ここへ来ました。」
どうやら小夜くんは私が料理をしていた頃のことを覚えていたようだ。そして、また食べたいと。私が考えてるのを察した宗三さんが追い討ちをかけるように言う。
「お小夜が相談しに来たんですよ。主の料理を食べたいと思うのはわがままだろうかって。普段わがままを言わない子ですから。仮にあなたがやってくれると言うのならお礼をしますよ。」
宗三さんがニコニコしている。あの傾国がニコニコしている。美人過ぎてツラい。気付くと引き受けている訳で。
『もちろんやるよ!やる! 全身全霊をかけて努めさせて頂きます! 』
宗三さんは前払い分の報酬だと少し厚みのある封筒を差し出した。恐る恐る開けると全人類を滅ぼしかねない兵器が入っていた。……小夜くんの写真が数枚鎮座している。かわいい! 可愛すぎる。ヤバすぎるでしょ! 柿を口一杯頬張る小夜くんに、縁側でお昼寝をしている小夜くん、粟田口の子たちとお絵かきをしている小夜くん。……神かよ神様だわ。私は死ぬ前に封筒ごと懐に入れた。
「気に入ってくれたようですね。あなたが本丸中で刀剣の写真を撮ってはコレクションしているのは知っているんですから。」
お願いしますねと言わんばかりに江雪さんと宗三さんは部屋を出ていったのだった。