秋田藤四郎と釣竿
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要らない物を処分していこう。断捨離というやつだ。本丸に来た時はほとんど荷物なんて無かったのに、気づけばこの部屋は物で溢れるようになっていた。
要らない物、使わない物を段ボールに詰めていく。高校のジャージに制服、ぼろぼろのリュック、きつくなったジーパン、長いこと着てないシャツ。ふざけて買ったボードゲーム、宴会用のコスプレ、謎の鼻眼鏡。
ふと、赤い釣竿が目についた。小学生の時に祖父から貰った釣竿。別に釣りが好きだった訳じゃ無い。あの家を出て、祖父とお喋りがしたくて釣りに行く祖父にくっついてただけ。何か不憫に思ったのか、クリスマスにもう使って無いからと、見るからに新しい釣竿を渡してきたのだ。
結局、祖父とその釣竿を持って釣りに行くことは出来なかった。祖父が亡くなって、釣りに行くことも無かったし、使わない。
ただ手離しがたく、そこに在るだけの存在だった。
「主君ー!何してるんですか?」
『秋田君!片付けだよ。……そうだ。秋田君、使ってない釣竿があるんだけど欲しい?大分昔の片落ちしたモデルなんだけど。』
赤い釣竿を秋田君に手渡せば、少し難しそうな顔をされてしまった。
「そんな事言っちゃいけませんよ主君。これは主君が大切にしてきたものなんですよね?だったら大事にしないと。」
『私は使わないんだ。もし、秋田君が釣りに行くなら使って欲しいな。』
困った顔をしていた秋田君だったがそっと受け取ってくれた。
「僕と釣りに行きましょう主君。薬研兄さんや御手杵さんに教わって。それまで僕が預かってます。約束ですよ。」
言い終えると秋田君は釣竿を持って何処かに歩いて行ってしまった。秋田君にしては珍しい一方的な約束。あの釣竿は捨てれそうに無いな。
要らない物、使わない物を段ボールに詰めていく。高校のジャージに制服、ぼろぼろのリュック、きつくなったジーパン、長いこと着てないシャツ。ふざけて買ったボードゲーム、宴会用のコスプレ、謎の鼻眼鏡。
ふと、赤い釣竿が目についた。小学生の時に祖父から貰った釣竿。別に釣りが好きだった訳じゃ無い。あの家を出て、祖父とお喋りがしたくて釣りに行く祖父にくっついてただけ。何か不憫に思ったのか、クリスマスにもう使って無いからと、見るからに新しい釣竿を渡してきたのだ。
結局、祖父とその釣竿を持って釣りに行くことは出来なかった。祖父が亡くなって、釣りに行くことも無かったし、使わない。
ただ手離しがたく、そこに在るだけの存在だった。
「主君ー!何してるんですか?」
『秋田君!片付けだよ。……そうだ。秋田君、使ってない釣竿があるんだけど欲しい?大分昔の片落ちしたモデルなんだけど。』
赤い釣竿を秋田君に手渡せば、少し難しそうな顔をされてしまった。
「そんな事言っちゃいけませんよ主君。これは主君が大切にしてきたものなんですよね?だったら大事にしないと。」
『私は使わないんだ。もし、秋田君が釣りに行くなら使って欲しいな。』
困った顔をしていた秋田君だったがそっと受け取ってくれた。
「僕と釣りに行きましょう主君。薬研兄さんや御手杵さんに教わって。それまで僕が預かってます。約束ですよ。」
言い終えると秋田君は釣竿を持って何処かに歩いて行ってしまった。秋田君にしては珍しい一方的な約束。あの釣竿は捨てれそうに無いな。