審判の合図により試合が開始された。その瞬間、小夜くんを先頭に魚鱗陣を組ながら走り出した。そして合戦場の崖を飛び降りる刹那、うちの子らによって銃声が響き渡った。
戦闘開始だ。鶴丸国永、数珠丸恒次、膝丸の刀装を一つづつ破壊し、白刀戦にもつれ込む。愛染くんの一撃が膝丸に命中し中傷に、続く今剣くんと不動くん薬研がそれぞれ江雪左文字、一期一振、鶴丸国永の刀装を全て剥ぐ。遅れ、乱ちゃんは三日月宗近の刀装を一つ吹き飛ばし、小夜くんは会心の一撃で数珠丸恒次を戦線離脱に追い込んだ。
これで戦局は5対6で優勢……のはずだった。三日月宗近の一撃が乱ちゃんの刀装を壊し、一期一振が今剣くんを重傷にしたのだ。数でこそ有利だが流れは向こうに取られてしまった。不動くんと薬研が今剣くんを庇い、小夜くんは乱れちゃんと合流し、愛染くんは膝丸に睨みを効かす。油断できない状況だが、誰一人として勝利を諦めてはいないようだ。
小夜くんが乱ちゃんに耳打ちをし、再び戦局が動いた。乱ちゃんが薬研たちと合流し、瞬く間に江雪左文字を撃破したのだ。そして、一瞬気をとられた膝丸を愛染くんが叩き、手負いの今剣くんが不動くんの背後から一期一振に奇襲を仕掛けた。わずかに生じた隙を逃す手はなく、不動くんが会心の一撃を喰らわす。薬研は鶴丸国永と打ち合いの末に倒したようだ。残すは小夜くんと対峙する三日月宗近だけになった。小夜くんと三日月宗近は二、三言葉を交わし、向かい合った。
勝負は一瞬だった。小夜くんの刀装は破壊されたが、三日月宗近を討ち取ったのだ。禿げが何か喚く音がするが、気にならない。合戦場から戻ったうちの子たちをまとめて抱き締める。
『みんなお疲れさま！ 怪我は大丈夫？ 治ってるよね？ 平気？ 無理してない？手入れ部屋にいk』
「あるじさまは、しんぱいしょうですね。だいじょうぶです！ 」
みんなを解放し、今剣くんを重点的に確認する。ひとまず安心できた。
「主、ここに長居は無用だよ。本丸に戻ろうか。」
長義に帰還を促され、案内されるまま歩き始める。途中、乱ちゃんに手を取られ危うく萌え死するところだった。禿げは役人に取り囲まれてたが後のことは知らね。