陸奥新藤五
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『俺は陸奥新藤五。粟田口の末席にして、相州伝の開祖にあたる。まぁ、よろしくね。』
そんな挨拶をして1週間が過ぎまして、縁側でお茶でもしないかと主に誘われた次第です。
『何か俺に用でもあったのか?』
「本丸に来てから不便とかしてないかなーって思って。」
主は十代後半の若い女子で、数が少ないとはいえ俺を含め15振り刀剣男士をまとめている。初期刀の加州によるとこの本丸は出来て2月経ってなく、主は鍛刀が苦手で基本的に拾ってくることが多い。短刀達に兄をせがまれ頑張ってみた結果が俺らしい。申し訳ない。
『不便はしてなさ。主こそ、男所帯なわけだし何かあれば直ぐ言ってくれ。』
こんのすけから借りたタブレットで色々勉強してはいるが主の力に成れてるか怪しい。
「ほら、こんのすけが新藤五さんは知り合いが多いって言ってたのに、家はあんまり居ないからさ。別の本丸に行きたいとか、言わないかなって。」
俯きながら話す主の表情は見えない。だが、泣きそうなのはなんとなく声で解った。
『吉光のチビ達は居るし、国吉の奴も居るじゃないか。俺は此処が好きだし下げ渡されたりしない限り出てくつもりはないさ。それに居ない奴は呼べばいい。な?』
言い終わるとともに主が俺の腰に抱き付いてきた。とっさに両手をあげてしまった。
『俺が要らなかったか?!俺と一期を交換してくれる本丸を探してくる!元々、主の望みは俺じゃなかったもんな。本当にすまない!』
両手を上げてアワアワしていると、本格的に主が声をあらげて泣いてしまった。
どうしたらいいんだ?! 綱宗様お助けください!綱宗様ー!!!
背中を摩り、頭を撫で、菓子の話をし、主はなんとか治まった。
「新藤五さんの負担が大きいから出ていきたいって思われても仕方ないと思ったの。私が料理できないから新藤五さんが作ってくれるし、他の太刀も居ないから出軍でも頼りきりだから。」
ぽつりと、主が話し始めた内容は俺が勝手にやったことだった。
『気にしなくていい。俺の元主の祖父が料理好きな人で元主も嗜んでたし、やってみたかったんだ。』
主の用意してくれたお茶をすすり、庭を眺めた。
『戦に出ることは好きだし、飾られてるだけはごめんなんだ。』
元主である綱吉様が亡くなり、奉納され切に願ったんだ。
"人の役に立ちたい、人の傍に在りたい"
物である俺が何かを願ったのはおかしな話かも知れないが、それでも人に使われていたい。武器なのだから飾られてる方が平和だろう。それなのに人に必要とされた事が嬉しくてたまらない。御神刀のように人を斬るのでは無く、人の為に在る刀なら良かったのかもしれない。人の子の為に平和を願う気持ちが無いわけでもない。でも粟田口の末席として、相州伝の祖として、新藤五国光の打った刀として、己の斬れ味を知らしめたい。
国綱にも、国吉にも、吉光にも、正宗にも、行光にも、長谷部にも、貞宗にも劣らないと証明したい。
……折れるその時まで戦場に在りたい。
『だから主、安心して俺を使ってくれ。人に、主の為にこの身を使わせてくれ。』
そんな挨拶をして1週間が過ぎまして、縁側でお茶でもしないかと主に誘われた次第です。
『何か俺に用でもあったのか?』
「本丸に来てから不便とかしてないかなーって思って。」
主は十代後半の若い女子で、数が少ないとはいえ俺を含め15振り刀剣男士をまとめている。初期刀の加州によるとこの本丸は出来て2月経ってなく、主は鍛刀が苦手で基本的に拾ってくることが多い。短刀達に兄をせがまれ頑張ってみた結果が俺らしい。申し訳ない。
『不便はしてなさ。主こそ、男所帯なわけだし何かあれば直ぐ言ってくれ。』
こんのすけから借りたタブレットで色々勉強してはいるが主の力に成れてるか怪しい。
「ほら、こんのすけが新藤五さんは知り合いが多いって言ってたのに、家はあんまり居ないからさ。別の本丸に行きたいとか、言わないかなって。」
俯きながら話す主の表情は見えない。だが、泣きそうなのはなんとなく声で解った。
『吉光のチビ達は居るし、国吉の奴も居るじゃないか。俺は此処が好きだし下げ渡されたりしない限り出てくつもりはないさ。それに居ない奴は呼べばいい。な?』
言い終わるとともに主が俺の腰に抱き付いてきた。とっさに両手をあげてしまった。
『俺が要らなかったか?!俺と一期を交換してくれる本丸を探してくる!元々、主の望みは俺じゃなかったもんな。本当にすまない!』
両手を上げてアワアワしていると、本格的に主が声をあらげて泣いてしまった。
どうしたらいいんだ?! 綱宗様お助けください!綱宗様ー!!!
背中を摩り、頭を撫で、菓子の話をし、主はなんとか治まった。
「新藤五さんの負担が大きいから出ていきたいって思われても仕方ないと思ったの。私が料理できないから新藤五さんが作ってくれるし、他の太刀も居ないから出軍でも頼りきりだから。」
ぽつりと、主が話し始めた内容は俺が勝手にやったことだった。
『気にしなくていい。俺の元主の祖父が料理好きな人で元主も嗜んでたし、やってみたかったんだ。』
主の用意してくれたお茶をすすり、庭を眺めた。
『戦に出ることは好きだし、飾られてるだけはごめんなんだ。』
元主である綱吉様が亡くなり、奉納され切に願ったんだ。
"人の役に立ちたい、人の傍に在りたい"
物である俺が何かを願ったのはおかしな話かも知れないが、それでも人に使われていたい。武器なのだから飾られてる方が平和だろう。それなのに人に必要とされた事が嬉しくてたまらない。御神刀のように人を斬るのでは無く、人の為に在る刀なら良かったのかもしれない。人の子の為に平和を願う気持ちが無いわけでもない。でも粟田口の末席として、相州伝の祖として、新藤五国光の打った刀として、己の斬れ味を知らしめたい。
国綱にも、国吉にも、吉光にも、正宗にも、行光にも、長谷部にも、貞宗にも劣らないと証明したい。
……折れるその時まで戦場に在りたい。
『だから主、安心して俺を使ってくれ。人に、主の為にこの身を使わせてくれ。』