兄であり弟でもある者
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基本的に我が家は肉体言語が主流だ。我が王への挨拶を済ませ、カルデアを一通り案内して貰えれば鍛練になるのはほぼ当然の流れだ。
結論を言えば俺はあっくんより弱かった。モーちゃんにも負けたし、ガレスちゃんにも負けました。当然、兄さんには歯もたちませんでした。ぼろぼろにされて悲しかったです。
生前の半分も力が出ず、パラディオの槍も輝かない。この違和感が拭えず頭を抱えているとマスターとキリエライトがトレーニングルームに飛び込んで来た。
「うっっっそ!もう模擬戦したの!!嘘だろこの円卓兄弟!」
『何か不都合でもありましたかマスター?』
「ガヘリスさんはまだレベル上げも再臨も済ませてないので危険ですよ!ランサークラスはセイバークラスに不利ですし、無茶し過ぎです!」
『そうなのですか。つい生前の感覚で。というか兄さん達も教えてよ。俺フルボッコにされたじゃん。』
「兄の威厳です。」
「生前の恨みだ。」
「久しぶりにガヘリス兄様と手合わせできたのが嬉しくて。」
「ザマーみろクソ兄貴。」
……ガレスは許す。
「ま、まぁ。ガヘリスさんのレベル上げ行きましょうか。素材も全部揃ってたから大丈夫なはずだし。」
『承知しましたマスター。感謝致します。』
種火を食べると力が満ちる感覚がしたし、再臨したらローブやら、鎧やらが脱げて俺の最盛期だっただろう時の姿になった。うん。動きやすい。取り敢えずモードレッドに拳骨を落とそう。そうしよう。
マスターと別れて1人トレーニングルームに戻る途中、我が王に会った。
『先程振りでございます我が王。』
「ガヘリス卿! 再臨したのですね。再び貴公と肩を並べて戦えるのが楽しみです。」
『有り難きお言葉、感謝致します。先程は兄弟の手前、私の顔を立て御恩赦頂き、恐悦至極の限りでございます。』
「もう生前の主従関係はありません。もっと楽に接してください。」
『私は円卓一の裏切り者と言われても仕方の無い男です。カムラン丘の件はモードレッドを生かし、教育しきれなかった私の責任です。どうか罰をお与えください。』
「ですが貴公は騎士として私に支え、十分な働きをしました。それに免じ、貴方を許しましょう。どうしても罰が欲しいのなら、夕食の海老フライを1つ私にください。」
『お気遣い痛み入ります。このガヘリス、我が王の為、海老フライ献上致しましょう。』
「マスター達から聞いたかもしれませんが、此処には多くの私が居ます。他の私にはナイショですよ。」
『御意。』
王はそれだけ言うと食堂の方へ歩いて行った。
……人の心がわからないと、言われた王がずいぶん人らしく振る舞うようになられたな。いたずらっ子のように笑った彼女は、幼い頃のモードレッドを思い出させる笑みだった。あの親子は案外、似ているのかもな。
結論を言えば俺はあっくんより弱かった。モーちゃんにも負けたし、ガレスちゃんにも負けました。当然、兄さんには歯もたちませんでした。ぼろぼろにされて悲しかったです。
生前の半分も力が出ず、パラディオの槍も輝かない。この違和感が拭えず頭を抱えているとマスターとキリエライトがトレーニングルームに飛び込んで来た。
「うっっっそ!もう模擬戦したの!!嘘だろこの円卓兄弟!」
『何か不都合でもありましたかマスター?』
「ガヘリスさんはまだレベル上げも再臨も済ませてないので危険ですよ!ランサークラスはセイバークラスに不利ですし、無茶し過ぎです!」
『そうなのですか。つい生前の感覚で。というか兄さん達も教えてよ。俺フルボッコにされたじゃん。』
「兄の威厳です。」
「生前の恨みだ。」
「久しぶりにガヘリス兄様と手合わせできたのが嬉しくて。」
「ザマーみろクソ兄貴。」
……ガレスは許す。
「ま、まぁ。ガヘリスさんのレベル上げ行きましょうか。素材も全部揃ってたから大丈夫なはずだし。」
『承知しましたマスター。感謝致します。』
種火を食べると力が満ちる感覚がしたし、再臨したらローブやら、鎧やらが脱げて俺の最盛期だっただろう時の姿になった。うん。動きやすい。取り敢えずモードレッドに拳骨を落とそう。そうしよう。
マスターと別れて1人トレーニングルームに戻る途中、我が王に会った。
『先程振りでございます我が王。』
「ガヘリス卿! 再臨したのですね。再び貴公と肩を並べて戦えるのが楽しみです。」
『有り難きお言葉、感謝致します。先程は兄弟の手前、私の顔を立て御恩赦頂き、恐悦至極の限りでございます。』
「もう生前の主従関係はありません。もっと楽に接してください。」
『私は円卓一の裏切り者と言われても仕方の無い男です。カムラン丘の件はモードレッドを生かし、教育しきれなかった私の責任です。どうか罰をお与えください。』
「ですが貴公は騎士として私に支え、十分な働きをしました。それに免じ、貴方を許しましょう。どうしても罰が欲しいのなら、夕食の海老フライを1つ私にください。」
『お気遣い痛み入ります。このガヘリス、我が王の為、海老フライ献上致しましょう。』
「マスター達から聞いたかもしれませんが、此処には多くの私が居ます。他の私にはナイショですよ。」
『御意。』
王はそれだけ言うと食堂の方へ歩いて行った。
……人の心がわからないと、言われた王がずいぶん人らしく振る舞うようになられたな。いたずらっ子のように笑った彼女は、幼い頃のモードレッドを思い出させる笑みだった。あの親子は案外、似ているのかもな。