伊達工戦。
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『正セッターじゃなくても出ることは絶対諦めない。』
翔太と繋心にそう告げた菅原の強い瞳を思い出していた。
顔は見えなかったが今も多分同じ瞳をしている。
「(好きだなぁ。)」
思えばあの時から惹かれていた気がする。
自分にはない強さをもった菅原に。改めて実感した所で気持ちを伝えるつもりなど更々ない。
男に告白されても気持ち悪いだけだろう。
それに気持ちを伝えて今の関係が壊れてしまえば菅原の傍にいられなくなる。
オレンジコートでプレイする菅原の姿をこの目で見たかった。
翔太は自分の恋心に蓋をすることを決めた。
今の精神状態でいつも通り菅原に接する自信がなかった翔太は、三人に気づかれないようにそっとその場を後にした。
ロビーに戻った所で此方に向かって歩いてくる繋心と遭遇した。
「翔太。着いてたのか。」
「今さっき来たとこ。初戦突破おめでとう。」
「おー。問題は次だな。」
「伊達工な……。負けた時のイメージっては残ってるからな。スタメンは?」
繋心から告げられたスタメンの中に菅原の名前がなかったことに胸が痛む。
高い壁をもつ伊達工相手には日向の速攻をどう使うかが鍵になる。それをする為にはセッターは影山でないといけない。
悔しさ、哀しみ、様々な感情が湧き上がってくる。
それが顔に出ていたのか繋心が困った顔をしながら翔太の頭を優しく撫でた。
「試合前の練習は参加するのか?」
「いや、ジャージも靴も持ってきてないから2階で見てる。」
「わかった。」
翔太が今何を考えているか気づいているであろうに触れてこない繋心の気遣いが有難かった。