もう一度
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試合をしている翔太を見つめる繋心は、嬉しそうででもどこか悲しげだった。
「チームメイトとの信頼関係も出来てて、データ以外の強さを手に入れていた。…………三年の時、圧倒的な才能とセンスを持つ後輩が入ってきたらしい。詳しくは俺も知らねぇ。インハイ予選で負けてから翔太は人が変わったかのように塞ぎ込んじまったからな。」
「そうだったんですか……。」
「バレーをしてる翔太を見るのも、あんなに楽しそうな姿を見るのも随分久しぶりだ……。ありがとな。菅原。お前がいてくれて良かった。」
アップゾーンの方に顔を向けると此方のやりとりを聞いていたのであろう菅原と目があった。
翔太をバレー部に呼び戻したい。
そのためにはもう一度バレーに向き合わせないといけない。
だから町内会チームを集めてほしい。
繋心にそう頼んできたのは他でもない菅原だった。
真剣な眼差しでそう話す菅原を見て、繋心は翔太が自分の過去を話したことを察した。
家族にも、繋心にも見せることのなかった弱い部分を。
菅原ならもう一度翔太をバレーと向き合わせることが出来るかもしれない。
翔太が前に進めるきっかけを作ってくれるかもしれない。
そう感じた繋心は、菅原の頼みを聞き入れ町内会チームを集めたのだった。
二人が何を話したのかは知らない。
それでも体育館に入ってきた翔太は、不安げな表情をしながらも目には力強い光が宿っていて。
試合が進むにつれて不安げな表情も消え去って、今はただバレーを楽しんでいた。
翔太がバレーをする姿を嬉しそうに見つめる繋心に、武田が恐る恐る声をかけてきた。
「…………一つ聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
「烏養君と都築君は一体どういう関係なんですか?友人にしては随分歳が離れてますよね……?」
武田の疑問は最もだった。
何とか誤魔化そうと色々思考を巡らせるも、いい案が思い浮かばなかった。
「………従兄弟だよ。」
「そうでしたか、従兄弟、…………ちょっと待ってください。烏養君、君は烏養監督のお孫さんですよね?」
「そうだな。」
「その君の従兄弟ということは、都築君も烏養監督のお孫さんということになりませんか……?」
「そうなるな。翔太にバレーを教えたのは俺とジジイだな。」
「…………ということは今の烏野は、烏養監督のお孫さん二人に指導してもらっているということですか!!??」
「チームメイトとの信頼関係も出来てて、データ以外の強さを手に入れていた。…………三年の時、圧倒的な才能とセンスを持つ後輩が入ってきたらしい。詳しくは俺も知らねぇ。インハイ予選で負けてから翔太は人が変わったかのように塞ぎ込んじまったからな。」
「そうだったんですか……。」
「バレーをしてる翔太を見るのも、あんなに楽しそうな姿を見るのも随分久しぶりだ……。ありがとな。菅原。お前がいてくれて良かった。」
アップゾーンの方に顔を向けると此方のやりとりを聞いていたのであろう菅原と目があった。
翔太をバレー部に呼び戻したい。
そのためにはもう一度バレーに向き合わせないといけない。
だから町内会チームを集めてほしい。
繋心にそう頼んできたのは他でもない菅原だった。
真剣な眼差しでそう話す菅原を見て、繋心は翔太が自分の過去を話したことを察した。
家族にも、繋心にも見せることのなかった弱い部分を。
菅原ならもう一度翔太をバレーと向き合わせることが出来るかもしれない。
翔太が前に進めるきっかけを作ってくれるかもしれない。
そう感じた繋心は、菅原の頼みを聞き入れ町内会チームを集めたのだった。
二人が何を話したのかは知らない。
それでも体育館に入ってきた翔太は、不安げな表情をしながらも目には力強い光が宿っていて。
試合が進むにつれて不安げな表情も消え去って、今はただバレーを楽しんでいた。
翔太がバレーをする姿を嬉しそうに見つめる繋心に、武田が恐る恐る声をかけてきた。
「…………一つ聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
「烏養君と都築君は一体どういう関係なんですか?友人にしては随分歳が離れてますよね……?」
武田の疑問は最もだった。
何とか誤魔化そうと色々思考を巡らせるも、いい案が思い浮かばなかった。
「………従兄弟だよ。」
「そうでしたか、従兄弟、…………ちょっと待ってください。烏養君、君は烏養監督のお孫さんですよね?」
「そうだな。」
「その君の従兄弟ということは、都築君も烏養監督のお孫さんということになりませんか……?」
「そうなるな。翔太にバレーを教えたのは俺とジジイだな。」
「…………ということは今の烏野は、烏養監督のお孫さん二人に指導してもらっているということですか!!??」