雨音
ピアノと別れると教室に向かった。先生は優しくてよく話す。
こんなに話したのはいつぶりだろう。
私は時々笑って返事をした。
「はい、転校生きたぞ!」
先生の言葉に周りがざわつく。
私が入ると周囲はソワソワしていた。
自己紹介をした紹介をしたところで、席に着く。後ろの席の壁側。ここからでも先生の顔はよく覗ける。
(待って待って!私先生のこと覗けるって言った!?どう言うこと!?)
困惑していると菅原先生の顔がドアップになり、教科書で頭を軽く叩かれる。
「今から授業のはなしすっから、ちゃんと聞く様に」
「…はい」
周りに笑われて、恥ずかしくなり、私は俯き気味になっていた。
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