雨音
雨はいつの間にか上がり、私は上着を羽織ったまま家路に向かう。肩が熱くて心臓が激しく動悸を鳴らす。
それはなんなのか、わからない。きっと春だから肩が熱くなったのだろうか。
「ただいま」
家に帰っても誰もいない。母はパートで父は仕事。私は一人っ子の為いつも一人。その上転勤が多くて、高校入学早々転校することとなった。
「烏野高校」
小さい頃に見たバレーの試合をテレビで見た。今の私には特に関係ないけど。
荷物を置いてテレビをつける。何度もリフレインする彼のこと。もっと話したかった。もっと知りたかった。そんな事を思い首を振る。
「私おかしい。病院行ったほうがいいのかな?」
ぼーっとする私は膝を抱えて横に倒れた。熱があることにのちに気づくのだった。