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花葬

 暗く湿った室内で、懐かしい女の声がした。その声は、どうやら泣いているようだった。

(僕を、呼んでる。)

 泣きながら、僕の名前を呼んでいる。何度も、何度も。
 僕は耳を塞いだ。次の瞬間、僕は肺まで凍るような冷たい水中にいた。

(……!)

 悲鳴は虚しい泡になって消えた。
 真っ暗な水底に飲み込まれていく。
 
 そこで、目が覚めた。






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