おうちメガネ/素顔のさらに奥の瞳
彼氏のテルたん♡には、お家デート限定のレアな装備がある。
……そう。メガネだ。
今日のテルたん♡はメガネをかけている。
彼は日頃からコンタクトを愛用していて、メガネはあまり好きではないらしく。
高校生のときは、たまたま朝早くに学校に行ったときしか、その姿を見ることはできなかった。
だけど、恋人同士になってから、お互いの家を行き来するようになって。
彼の貴重なメガネ姿をたびたび目撃できるようになった。
特に一緒に大学の課題をするときは、高確率で黒縁のそれが登場する。
自然な姿を見せてもらえている事実に、毎回ドキドキさせられていることは内緒だ。
よーし。今日はテルたん♡と一緒に、勉強がんばろう!
◆◆◆
「なあ。おまえさ、俺のことハチの巣にする気なのか?」
「えっ?」
「そんなに見つめられると穴が開く」
ダイニングテーブルの向かい側、レポートと向き合ったまま、眉間にシワを寄せるテルたん♡。
そんなに見てたかな?と首を傾げると、無自覚かよ、とため息をつかれてしまった。
「今さら珍しいモンでもないだろ」
「うーん……でも、やっぱり特別な気分になるよ」
「女ってすぐそういうこと言うよな」
「だって本当のことだもん」
「……ふぅん」
やっぱり似合ってる、とテルたん♡を見つめて頬を緩めていると。
テルたん♡が不意に身を乗り出して、わたしに急接近をしかけてきた。
「わっ、ちょっ、顔が近いよ……」
慌てて目を逸らそうとしたけど、テルたん♡の大きな手に阻まれて失敗する。
おずおずと目の前に視線を向けると、思いのほか真剣な眼差しとぶつかった。
……あ、この感じ。
なにかよくないスイッチを押しちゃったかも。
ドッ、ドッ、と心臓が早鐘を打ち始めた。
吐息が感じられる距離で、わたしは押すことも引くこともできなくなって。
たまらずギュッと目をつぶる。
「……あのさ」
コツン、と鼻筋に黒のフレームがぶつかった。
「メガネが邪魔でキスできないんだけど……だから、コレ、おまえが外せよ」
舌ったらずの甘さと熱が、身体と心を優しく溶かしていく。
目を開くと、彼のレンズには、真っ赤に茹だったわたしが映っていた。
……そう。メガネだ。
今日のテルたん♡はメガネをかけている。
彼は日頃からコンタクトを愛用していて、メガネはあまり好きではないらしく。
高校生のときは、たまたま朝早くに学校に行ったときしか、その姿を見ることはできなかった。
だけど、恋人同士になってから、お互いの家を行き来するようになって。
彼の貴重なメガネ姿をたびたび目撃できるようになった。
特に一緒に大学の課題をするときは、高確率で黒縁のそれが登場する。
自然な姿を見せてもらえている事実に、毎回ドキドキさせられていることは内緒だ。
よーし。今日はテルたん♡と一緒に、勉強がんばろう!
◆◆◆
「なあ。おまえさ、俺のことハチの巣にする気なのか?」
「えっ?」
「そんなに見つめられると穴が開く」
ダイニングテーブルの向かい側、レポートと向き合ったまま、眉間にシワを寄せるテルたん♡。
そんなに見てたかな?と首を傾げると、無自覚かよ、とため息をつかれてしまった。
「今さら珍しいモンでもないだろ」
「うーん……でも、やっぱり特別な気分になるよ」
「女ってすぐそういうこと言うよな」
「だって本当のことだもん」
「……ふぅん」
やっぱり似合ってる、とテルたん♡を見つめて頬を緩めていると。
テルたん♡が不意に身を乗り出して、わたしに急接近をしかけてきた。
「わっ、ちょっ、顔が近いよ……」
慌てて目を逸らそうとしたけど、テルたん♡の大きな手に阻まれて失敗する。
おずおずと目の前に視線を向けると、思いのほか真剣な眼差しとぶつかった。
……あ、この感じ。
なにかよくないスイッチを押しちゃったかも。
ドッ、ドッ、と心臓が早鐘を打ち始めた。
吐息が感じられる距離で、わたしは押すことも引くこともできなくなって。
たまらずギュッと目をつぶる。
「……あのさ」
コツン、と鼻筋に黒のフレームがぶつかった。
「メガネが邪魔でキスできないんだけど……だから、コレ、おまえが外せよ」
舌ったらずの甘さと熱が、身体と心を優しく溶かしていく。
目を開くと、彼のレンズには、真っ赤に茹だったわたしが映っていた。
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