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波乱万丈な体育祭!


6月、天気は晴れ。百鬼学園は無事に体育祭当日を迎えていた。


《ではこれより百鬼学園体育祭を開催します。各クラス力を合わせ、妖怪の名に恥じぬよう正々堂々真剣に勝負してくださいね》

朝礼台の上に立った学園長の言葉に耳を傾けるずらりと並んだ生徒たち。
雄叫びを上げたり、手を突き上げたりと皆やる気満々である。
ところで妖怪の名に恥じないように正々堂々ってどう言うこと?妖怪としてなら正々堂々ってよりどんな手を使ってでも勝つ!の方がそれっぽいと思うんだけど。

《なお、各学年陸クラス学年内の対抗戦ですが学年総合最下位のクラスにはー…そうですねぇ…消えていただきます》

え…っ!?と生徒たちの間に緊張が走る。
どうしたアイツ。暇すぎて遂にデスゲームはじめる気にでもなったか?

《貴方がたの担任のお給料が》

え…っ!?と今度は教師たちが凄い形相で学園長を見上げた。
生徒からしたらなんだ教師の給料か、じゃあどうでもいいや!となるが教師陣からしたら死活問題のようで「オイコラァ!!!パワハラじゃねーか!!」一斉に学園長に野次を飛ばしだす。

「ッザケンな!!!俺ン家はこの先四人目が生まれんだぞ!!!」
「どう転んでも学園長が得しますやん」

そしてキレてブーイングを飛ばす教師陣の間をぴょこぴょこ跳ねながら「そうだそうだ!」と同調しつつもそんなに怒ってなさそうな担任。
そんな様子に目敏く気がついた学園長が「おや?」と晴明を見下ろす。

「晴明君はそんなに嫌そうじゃないですねぇ。なら、貴方の嫌いな女子ブレザー服姿で一日過ごすとかどうです?」

ひとが嫌がることを考える天才か?よくそんなにすぐエグい罰を思いつくなアイツ。
勿論、第三者たちへの視覚的暴力という意味で、である。誰向けだよ180超えの男のセーラ服姿なんて…
ブレザーの聞いて「ギャン!!」と鳴いた晴明は人間離れしたぬるりとした動きで朝礼台に登り「そそそそれだけは勘弁〜!!」と学園長に縋り付く。
なんだ今の動き、ナメクジか。

「わっ!!!貴方、最近行動が人間離れしすぎですよ!!」

晴明の奇行はもはやエンタメとなっているのか、他のクラスの生徒たちがざわざわと振り払おうとする学園長と撤回させたい晴明の攻防を見て噂している。と言うかほぼ笑われてる。

「オイオイ、アレって噂の人間教師だろ?」
「!!!お、おい…あれ見ろよ」
「おわっ!!!な…なんだあのクラス!!!びっくりするほど感情が動いてねぇ!!!」

目が死んでるとも言う。他クラスとは経験値の差がでた結果だと思うけどね。そしていつかお前らもこうなるんだよ!

「オ…オイ泥田。お前のクラスとお前の担任大丈夫かよ」
「あ?お前らこそ大丈夫かよ」

鹿島が目が死んでる泥田に話しかけるが「こんなんでいちいちリアクションしてたら死ぬぞ!!!」と逆に心配されている。
まぁ、参組のは晴明の奇行の数々を知っているからこその警戒なので鹿島には1ミリも伝わってないようだけどね。

「クソッこんなデカイ行事で何も起こらねー訳ねぇだろ…」
「やべーよ…俺まだ死にたくねーよ…」
と口々に不安を口にする参組の生徒たちの様子に「何だこいつら」とドン引きされた。
変態と同類扱いは実に失礼である。



罵倒で始まった体育祭、1種目目は弐年生による借り物競争。なんと紅ちゃんが第二走者として出場するのだ!
私はポンポンを持って紅ちゃんの側に行く。

「紅ちゃん最初の競技でしょ?応援してるからね!」
「おう。……それで?お前、何だその格好」

呆れたような紅ちゃんの前で片手を上げてポーズをとって見せる。
開会式は体育着だったが、応援する為にサッと着替えたのだ!

「チアガールだよ!」
「何でまたチアガール…」
「いやだって学園長がー」

回想ー

「はいこれ」
「は?何これ」
「何ってチアガールの衣装ですよ。あ、ちゃんとポンポンもあるので」
「そーじゃねぇよ!何でこんなの渡されてるのかって聞いてんの!!」
「だって貴女、当日暇でしょう?それで少しでも体育祭を活気づけて下さい」
「はぁ?普通に嫌なんだけど…」
「そうですねぇ。では、この話を呑んでくれたら貴女が兼ねてより申し出ていた事、叶えて差し上げてもいいですよ」
「え!本当!?」
「えぇ、ただし体育祭が終わってからですけど」
「うひぁー!!全然大丈夫!!応援するだけでも楽しいし!」

回想終わりー


「ーって話したから」

何がしたいのかはわからんがこれも報酬の為、後応援するひとの正装って聞いたのでとりあえず着てみたと言うわけです。

「マジか、キモいな学園長。よし、終わったら尾びれ背びれ付けて掲示板に流してやろ」

流石紅ちゃん。教師の弱みになりそうなネタには容赦ないね!






紅ちゃんを見送ってクラスの席に戻る時も、すれ違うやつらに二度見、三度見された。そんなに変か?この格好。

「変じゃないよ!ただ皆体育着だから目立つってだけで…」

と言いつつ目を逸らす国子ちゃん。
変なら変で着替えるのに、と隣のゆりちゃんを見るが無言で首を横に振られるだけ。
なんてこった…

「目立つだけにしてはあり得ないもの見た目で二度見されるんだけどな…」
「そりゃあ稲荷さんだからでしょ」
「そうそう、皆見間違えかと思って二度見してるのよ」
「私たちは慣れてるけど」
「「ねぇ〜?」」

雛菊たちが言うには原因は私自身らしい。
そんなのもうどうしようもないじゃん!

《さぁさぁ始まりました体育祭!最初の競技は弐年生の「借り物リレー」だ!!》

頭抱えてるうちに始まっちゃった!見ねば!!と最前列を陣取って座る。
後ろで狢が「どれが豆だ?」とか言ってるが見ればわかるでしょうが、赤い鉢巻をカチューシャみたいにして前でリボン結びしてる女子力高いのが豆だよ!

「赤い鉢巻だよ!クラスごとに違うって朝言ってたじゃん!」
「てかこの実況神酒だよな?普通に標準語喋れんだな…」

神酒の話より豆の隣の火の玉が鉢巻とタスキを燃やさずに装備できてる理由の方が気になる。何で燃えないの?

《位置について…よーい…》
「変化!!脚力が強い人!!」

《ドン!!》と言う音と共に変化して走り出す首から下だけ巨人のようになった豆。
頭が変わってないせいで余計怖いことになってるよ。

「こ…怖えええ!!!」
《速い!!赤い鉢巻参組!!!不気味な何かに変化して一番乗りでお題の入ったらボックスに到着だ!!》

一度変化を解いてお題を引いた豆はハッとした顔をしてまた変化すると参組の席まで走りだす。絵面が凄いことになってる。

「うわあああ!!!何かこっち来た!!」
「妖怪っつーより化け物じゃねえーか!!」

爆速で参組の応援席に到着した化け物、基豆は顔色の悪い佐野を見つけると「佐野君をお借りするよ!!」と姫抱きで抱き上げた。
その酷い絵面に入道くんが青い顔をしながら「な…何がお題なんだ?」と恐る恐る聞けば豆が照れたように笑いながらぴらりとお題の紙をゴツい指でつまみ上げる。

「親友だよ」
「豆…」
「気っっっ色悪ィよ!!!はよ行けや!!!」

《参組早くも次の走者にタスキをまわした〜!!!》
「ナイスだトロール!!!間違えた…ナイスだ豆!!!」
《おおっとしかし後ろから紫の鉢巻の弐組が迫っている!!さすが弐組だ!!》
《神酒先生自分のクラスばっかエコ贔屓実況しないでくださいよ!頑張れ座敷さん!!》
《ちょっマイクの近くで喋らんといて!!!》


「チッ!追いつかれてしまった!!何がなんでも簡単なお題を!!」

紅ちゃんが引いた紙には何やら長々とした文が…

「火山の火口より生まれし聖剣えくすかりばー…」

何だそりゃ!そんなもの持って体育祭来てるひと居ないよ!!

ほらぁ!「エクスカリバー!?何そのお題!!」って弐組の子も驚愕してる!
どう見ても簡単ではないそのお題に「ふむ…」と少し考え込んだ紅子ちゃんは直ぐに「任せろ!!!」とお題の紙を握り締めて走り出した。どうやら当てはあるらしい。

「頑張ってー!!紅子ちゃーん!!!」
《なんと参組学校を飛び出していったぞ!?どこへ行く!!》

それはわからん。火山かな?



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