双子

伴場が高木により警察へ連行されようとするのを小五郎が止め、彼を眠らせ彼の声で話すコナンによる推理ショーが始まった。
その推理が明かされ、今回の事件の最大の謎…DNAの謎に当たった。

透「で、でもDNAは！？
彼女の付け爪の先に彼のDNAとほぼ一致した皮膚が付いていたんですよ？彼がその時、彼女のそばにいたって証拠じゃないですか！！」
小(ｺ)「付け爪に付いていたのが彼女本人の皮膚だったって場合は考えねぇのかよ？」
透「な、何言ってんですか？
さっきも言いましたが、血縁者でない限り遺伝子情報のほぼ一致はまずありえません！現在、同じ型のDNAの別人が現れる確率は、4兆7000億人に1人とされてますし…だいいち、女性には男性だけが持っているY染色体がないからすぐにわかりますよ！」
小(ｺ)「問題のその皮膚が雨や泥で汚染され、性別の部分が不明だからほぼっていってるかもしれねぇだろ？」
透「…だとしても…そんな2人が偶然出会い、たまたま恋に落ちて結婚しようとしたって言うんですか！？」
小(ｺ)「出会ったのは偶然かもしれねぇが…惹かれ合ったのは必然だったと思うぜ？
2人はあんたと安室警部補のように、双子だったんだからな…」
伴「！？」
高「ふ…」
目「双子！？」
香『………』

小五郎(コナン)の言葉に、伴場はもちろん、高木や目暮も驚き、透香は目を伏せる。

小(ｺ)「伴場…お前ら言ってたよな？
2人は誕生日も血液型も同じで…黙っていてもお互いの考えてる事がわかる事があるって…」
伴「あ、ああ…。でもそれだけで双子だとは…」
小(ｺ)「お前は知らなかっただろうけど…お前と初音さんは赤子の頃…同じホテル火災で助け出されて、身元不明のまま教会で育てられた2人だったんだよ」
伴「ホ、ホテル火災！？」
高「なるほど…。その火事で両親が焼死し、双子だとわからなかったんですね？」
目「しかし、双子だとDNAが同じになるのかね？」
高「一卵性双生児はそうらしいですけど…その場合は、男同士か女同士の双子になるはずだったような…」

小五郎(コナン)の言った伴場と初音が双子であるという言葉でずっと黙っていた透が口を開く。その時、透香も伏せていた目を開ける。

透「稀にあるんですよ…。2つに分かれる前の受精卵の染色体がXY…男性の場合、それが多胚化（たはいか）する際…一方のY染色体が何らかの要因で欠落し、XYとXO…つまり男性と女性の異性一卵性双生児として誕生する場合がね…」
香『そして、実際に私と透がその異性一卵性双生児ですから…ありえる事なんですよ…』
伴「お、おいおい冗談だろ？俺と初音が双子だなんて…」
香『彼女、身長いくつだったかわかりますか？』
伴「140の後半だって言ってたよ…。背が低いの気にしてたし…」
香『…だとしたら、その可能性は高いですね…』
透「異性一卵性双生児の女性の方は、ターナー症候群で低身長になりやすいですから…。
透香はそのターナー症候群にはならなかったようですがね」