死亡の館、赤い壁
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
掌中の物 必ずしも掌中の物ならず
諸「私がここに立ち寄ったのは丁度彼女の命日…花を供えて帰る際にあの割られた窓の下に絵の具類が散乱しているのを見つけ、不審に思い…呼び鈴を鳴らしても返事がなく、玄関の鍵もかかっていなかったので部下と入ったら、部屋に閉じ込められていた遺体を発見したんです…。…しかし、散乱していた絵の具には被害者の指紋が付いていたと聞きましたが…」
大「ああ…1つ残らずな…。だが、部屋のノブとスプレーに付いていたのはお前の部下の指紋だったってわけだ…」
諸「それはまさに「雪中の筍」…なかなか面白い…」
諸伏は大和の返しにそう言い諸伏の発した「雪中の筍」に小五郎は首を傾げる。
毛「え?えっちゅうのたけのこ?」
蘭「えっちゅうじゃなくて雪中。雪の中の筍の事よ!」
毛「あ?何でここに筍が出てくるんだよ」
香『筍が出るのは春ですよね?だから中国ではありえない事が起こる時とか得難い物を得る時とかにその言葉を使うらしいですよ』
毛「でも、何でありえないって…?」
大「わからねぇのか?害者はこの部屋に閉じ込められていたんだぞ?普通、外に出ようとして扉のノブに手をかけるだろ?壁を赤く染めたあのスプレーにも害者の指紋が付いてるはずだろーが!閉じ込めた張本人はこの部屋に戻ってきてねぇようだしな!」
大和のその言い分に小五郎は「た、確かに…」と納得する。
諸「…それに被害者の指紋が付いてなかったという事は、わざわざ拭き取らねばならない理由があったか…もしくは…
とにかく、もう1度かつてこの館の住人だったあの4人に会ってみてもいいかもしれませんね…。今度は少々カマをかけつつ…」
大「フン!会いたきゃ1人で行きやがれ!その代わりと言っちゃなんだが…邪魔なそのガキと娘をいったんお前の車に預かってもらおうか!
その間、俺はせっかく呼んだ眠りの小五郎さんと知恵を出し合って事件の真相を解きてーんだ!」
大和の言葉に小五郎は一瞬の間を置いて頷き、大和は「子供には聞かせたくねえ話も出ると思うんでな…」と言いながら部屋を出る。
大「まあ、4人に会ったら報告がてらそのガキと娘を俺の家に送って来てくれ!どーせ大した収穫はねぇと思うがな…」
諸「………」
そうして大和は小五郎と上原を連れて階段を下り去っていった。
晃「なぁ、透香。俺達はどうするんだ?」
香『そうねぇ…。どうせ私達の非番はまだあるし、諸伏警部について行きましょ。途中まで関わっちゃってるし、ここまで来たら最後まで関わらないと気になったままでしょ?』
晃「…だな」
香『…と、言う訳なので私達もついて行って構いませんか?諸伏警部』
諸「えぇ、勿論構いませんよ」
香『ありがとうございます』
そして、透香達5人は外に出る。
諸「ほぅ…マツダのRX-7ですか」
香『はい。弟と同じなんですよ。弟は白で私は青ですけど。諸伏警部はシトロエンCXですか。いい車をお持ちですね』
諸「ええ、お互いに」
香『では、私は後ろからついて行きますので』
諸「分かりました」
それから、諸伏が聞き込みしている間は2人は車内で待機しており、全員の聞き込みが終わった後に4人の証言を聞いた。その中でも最も怪しかったのは、諸伏の「あなたの指紋が発見された」というカマかけにわかりやすく狼狽えていた直木司郎。
そしてその翌朝、もう1度直木司郎から話を聞こうとし、透香達は大和達について行き直木司郎のアパート前まで来たのだが、アパートの前には人集りとパトカーと複数の警察官の姿があった。
大和が近くの警官に「何かあったのか?」と問い、上原はアパートの2階の1室を指さし「か、敢ちゃんあれ!」と訴える。そこには、諸伏の後ろ姿があった。
大「コ…高明!?」
蘭「諸伏警部…」
晃「何かあったのかな?」
香『…まさか』
皆はアパートの2階にあがる。大和に気づいた諸伏が大和を見る。
大「おい、まさか…」
諸「ええ…。妙な胸騒ぎがして早々に来てみたら…」
大和は諸伏の横から部屋の中を見る。その2人の後ろからコナン、そして透香と晃斗も中を見る。
そこには、直木司郎が椅子に座った状態で絞殺されており、彼の正面には赤く染った壁があった。
諸「この有様ですよ…」
大「あ…赤い壁!?」
諸「夕べの我々の行動を見て素早く先手を打ったんでしょう…」
大「疾き事風の如くってか?」
諸「ええ…「掌中の物 必ずしも掌中の物ならず」…。ぬかりましたね…」
諸伏の言葉に小五郎は再び首を傾げる。
コ「「掌中の物 必ずしも掌中の物ならず」
手の平に乗っているからと言って、絶対につかめるわけじゃないって事…」
香『つまり、私達は目と鼻の先にいた事件の鍵を握る重要人物を…油断してみすみす殺害され、つかみ損ねてしまったというわけです』
透香は淡々とそう告げた。
諸「私がここに立ち寄ったのは丁度彼女の命日…花を供えて帰る際にあの割られた窓の下に絵の具類が散乱しているのを見つけ、不審に思い…呼び鈴を鳴らしても返事がなく、玄関の鍵もかかっていなかったので部下と入ったら、部屋に閉じ込められていた遺体を発見したんです…。…しかし、散乱していた絵の具には被害者の指紋が付いていたと聞きましたが…」
大「ああ…1つ残らずな…。だが、部屋のノブとスプレーに付いていたのはお前の部下の指紋だったってわけだ…」
諸「それはまさに「雪中の筍」…なかなか面白い…」
諸伏は大和の返しにそう言い諸伏の発した「雪中の筍」に小五郎は首を傾げる。
毛「え?えっちゅうのたけのこ?」
蘭「えっちゅうじゃなくて雪中。雪の中の筍の事よ!」
毛「あ?何でここに筍が出てくるんだよ」
香『筍が出るのは春ですよね?だから中国ではありえない事が起こる時とか得難い物を得る時とかにその言葉を使うらしいですよ』
毛「でも、何でありえないって…?」
大「わからねぇのか?害者はこの部屋に閉じ込められていたんだぞ?普通、外に出ようとして扉のノブに手をかけるだろ?壁を赤く染めたあのスプレーにも害者の指紋が付いてるはずだろーが!閉じ込めた張本人はこの部屋に戻ってきてねぇようだしな!」
大和のその言い分に小五郎は「た、確かに…」と納得する。
諸「…それに被害者の指紋が付いてなかったという事は、わざわざ拭き取らねばならない理由があったか…もしくは…
とにかく、もう1度かつてこの館の住人だったあの4人に会ってみてもいいかもしれませんね…。今度は少々カマをかけつつ…」
大「フン!会いたきゃ1人で行きやがれ!その代わりと言っちゃなんだが…邪魔なそのガキと娘をいったんお前の車に預かってもらおうか!
その間、俺はせっかく呼んだ眠りの小五郎さんと知恵を出し合って事件の真相を解きてーんだ!」
大和の言葉に小五郎は一瞬の間を置いて頷き、大和は「子供には聞かせたくねえ話も出ると思うんでな…」と言いながら部屋を出る。
大「まあ、4人に会ったら報告がてらそのガキと娘を俺の家に送って来てくれ!どーせ大した収穫はねぇと思うがな…」
諸「………」
そうして大和は小五郎と上原を連れて階段を下り去っていった。
晃「なぁ、透香。俺達はどうするんだ?」
香『そうねぇ…。どうせ私達の非番はまだあるし、諸伏警部について行きましょ。途中まで関わっちゃってるし、ここまで来たら最後まで関わらないと気になったままでしょ?』
晃「…だな」
香『…と、言う訳なので私達もついて行って構いませんか?諸伏警部』
諸「えぇ、勿論構いませんよ」
香『ありがとうございます』
そして、透香達5人は外に出る。
諸「ほぅ…マツダのRX-7ですか」
香『はい。弟と同じなんですよ。弟は白で私は青ですけど。諸伏警部はシトロエンCXですか。いい車をお持ちですね』
諸「ええ、お互いに」
香『では、私は後ろからついて行きますので』
諸「分かりました」
それから、諸伏が聞き込みしている間は2人は車内で待機しており、全員の聞き込みが終わった後に4人の証言を聞いた。その中でも最も怪しかったのは、諸伏の「あなたの指紋が発見された」というカマかけにわかりやすく狼狽えていた直木司郎。
そしてその翌朝、もう1度直木司郎から話を聞こうとし、透香達は大和達について行き直木司郎のアパート前まで来たのだが、アパートの前には人集りとパトカーと複数の警察官の姿があった。
大和が近くの警官に「何かあったのか?」と問い、上原はアパートの2階の1室を指さし「か、敢ちゃんあれ!」と訴える。そこには、諸伏の後ろ姿があった。
大「コ…高明!?」
蘭「諸伏警部…」
晃「何かあったのかな?」
香『…まさか』
皆はアパートの2階にあがる。大和に気づいた諸伏が大和を見る。
大「おい、まさか…」
諸「ええ…。妙な胸騒ぎがして早々に来てみたら…」
大和は諸伏の横から部屋の中を見る。その2人の後ろからコナン、そして透香と晃斗も中を見る。
そこには、直木司郎が椅子に座った状態で絞殺されており、彼の正面には赤く染った壁があった。
諸「この有様ですよ…」
大「あ…赤い壁!?」
諸「夕べの我々の行動を見て素早く先手を打ったんでしょう…」
大「疾き事風の如くってか?」
諸「ええ…「掌中の物 必ずしも掌中の物ならず」…。ぬかりましたね…」
諸伏の言葉に小五郎は再び首を傾げる。
コ「「掌中の物 必ずしも掌中の物ならず」
手の平に乗っているからと言って、絶対につかめるわけじゃないって事…」
香『つまり、私達は目と鼻の先にいた事件の鍵を握る重要人物を…油断してみすみす殺害され、つかみ損ねてしまったというわけです』
透香は淡々とそう告げた。