凄まじき魔神〜マージ・ジルマ・ゴル・ジンガジン〜

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人間態(カタカナ)
天空聖者(カタカナ)

失われる

小津家に戻った一同。レジェンドパワーを獲得し、その強さでブルラテスも倒した兄弟達5人は浮かれていた。ヒカルとキラルが今も尚、険しい表情を崩していない中、魔法部屋のテーブルの上には料理が置かれ、兄弟達5人は乾杯する。

魁「いや〜、やっぱすげぇよな、レジェンドパワーって!」
蒔「まったくだ!身体にはダメージも全く無いし!リンの心配は完全に取り越し苦労だな」

5人はそれぞれ席に着く。

蒔「では!」
5人「いっただきまーす!」

5人が手を合わせていざ食事をしようとした時、ある異変が起きる。
蒔人以外の身体に蔦が巻きついていた。

魁「何だよ?!」
芳「?!」
麗「!?」
ヒ「これは─…!」
『取れない…!』
翼「何だよ、これ?!兄貴だろ!」
蒔「分からん!大地の祝福か?!」

蒔人は自身以外が置かれている状況に戸惑いながらもテーブルの下を覗き込む。蔦は蒔人の足元から生えていた。蔦に捕らわれた麗から大量の涙が溢れる。蔦は部屋中に広がっていた。

翼「一体どうなってんだよ!」

怒りに叫んだ翼から放電が発生し、その場の全員に電気が走る。そして、放電により叫んだ影響で芳香から突風が巻き起こる。

芳「私の風ー!」
魁「先生!キラル!どうしたら──…」

言葉を発している途中で今度は魁の口から炎が吹きでてくる。ヒカルは咄嗟に頭を下げて向かってきた炎を躱す。

ヒ「異常すぎる!」
『一体、この子達の体に何が…?』
ヒ「ルナジェルの心配はこれだったのか!」

魔法部屋の中が阿鼻叫喚と化していたその時──。

ゴル・ルジュナ

魔法部屋に広がっていた兄弟達5人の暴走が一気に消え去る。魔法が暴走してしまっていた兄弟達5人はぐったりとする。
突如消えた暴走にヒカルキラルは当たりを見回し、入口にいる人物を見て席を立つ。

リ「いけないと書いたのに、ちゃんと伝わらなかったようね」
魁「リン!」

魔法部屋に広がっていた魔法の暴走を一気に消したのは、やって来たルナジェル─リンだった。
ヒカルとキラルはリンの元に歩む。

『ルナジェル!』
ヒ「詳しく聞きたかった。一体どういう事なんだい?」
リ「これ以上レジェンドパワーを使い続ければ、あなた達は天空聖者になってしまう!」


リンの放った言葉に全員驚く。しかし、兄弟達5人だけはその驚きも一瞬の事だった。

魁「天空聖者に…?それってすっげーじゃん!」
芳「そうなったら、私達無敵じゃない──…」
リ「浮かれてはいけない!」

浮かれ始めた兄弟達5人をリンが叱咤する。

リ「もしそうなれば……人間としての記憶は完全に失われる!」

リンの言葉に兄弟達5人は驚愕する。

リ「あなた達は、兄弟であるという想いも……無くなってしまう」
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