ルール

アリスとノエルは開店準備中のジュレにいた。

魁「いいから帰れよ！いつまで俺の部屋にいるんだ！」

魁利はずっと魁利の部屋にいるノエルを追い出そうと引き摺っていた。

ノ「酷いなぁ！傷だらけの僕を寒空の下放り出すのかい？」
魁「夏！めっちゃ夏！！」
『ﾌﾌｯ』
透「お前、自分の家があるんじゃないのか？」

透真が仕込みをしながらノエルに問う。

ノ「いや…まぁ…あるよ…？あるけど……家事とか辛いし、寂しいし……」

そしてノエルは｢そうだ！｣と言うと座った状態からバク転で起き上がる。

ノ「透真くん、ご飯作りに──」
透「断る」
ノ「…初美花ちゃん、手当しに──」
初「警察の人に頼んでください」
ノ「…魁利く──」
魁「ヤダ」

ノエルは2人に頼もうとするも即答で断られる。魁利に至っては頼む前から断られてしまう。

ノ「えぇぇ…
快盗の仲間として認めてくれたんじゃないのかい？」
魁「だからだよ」
『…？』
初「必要以上に助け合わない」
透「それが俺達のルールだ」

ノエルはアリスと顔を見合せ苦笑いを浮かべる。

ノ「『Oh la la.』」

魁利は｢て事で…｣と言うとノエルの後ろに周り、背中を押して外に出そうとする。

ノ「え、ちょちょちょちょっ！」
魁「Adieu!」

あと少しで外に出るというところでノエルは｢こうなったら意地でも出ないからね！｣と行って店内の椅子にしがみつく。そんな和気藹々とした光景にアリスは笑う。

初「ノエルさん！」

ノエルがしがみついた椅子を初美花は持ち上げ、ノエルは魁利に外に連れ出される。

『ﾌﾌｯ ほらノエル、帰ろう』
ノ「えぇー！」
『〝えぇー！〟じゃないの！今日だけは私が作ってあげるから』

アリスがそう言うとノエルの表情が目に見えるように輝く。

ノ「ホント？じゃあエスカルゴね！」
『ﾌﾌｯ わかった』

そんなノエルの反応にアリスは微笑む。

ノ「アリスがこう言ってるし仕方ない。僕はもう帰るとするよ。Au revoir.」
『ﾌﾌｯ ごめんなさいね。Au revoir.』

そして、2人は魁利達に見送られる様にしてノエルの家に帰って行った。