講師

─BISTROT Jurer─

ジュレでは、ノエルとアリスがランチを食べていた。

ノ「ん～『C'est bon.』
皮目はパリパリ、身もふわっふわ。今日のランチも最高だぁ」
『そうね』
透「いちいち上辺で褒めなくていい。黙って食べてくれ」

美味しそうに食べ感想を言うノエルに透真はそう言い放つ。

初「透真ってアリスさんとノエルさんの言う事全然信じないよねぇ」

初美花がそう言うも、透真は黙々と作業をしている。
ノエルは顎に手を当て考えた様子を見せていたが、｢決めた｣と唐突に言う。

ノ「やっぱり透真くんが適任だ」
『Oui.私もそう思う』

そう言い放った2人に雑誌を見ていた魁利は透真とノエル達を交互に見るとノエルとアリスの2人に｢適任って？｣と問う。

ノ「まだ公にはなっていないんだけど、最近料理学校の講師達が行方不明になっているんだ」
『ギャングラー絡みじゃないかと、国際警察は睨んでる。それで、圭一郎くん達が講師に扮して囮捜査を試みたんだけど…』
ノ「何も起きなかった。素人ってバレてたんだね」
魁「…で、プロのシェフに頼もうって訳だ」
初「ギャングラーに攫われろって事？危なくない？」
『もちろん1人じゃ行かせないわ。私とノエルが助手になる』

2人が立ち上がってアリスが言うと、2人で歩み寄りながらノエルが｢どうだい、透真くん？｣と透真に聞く。魁利と初美花の2人も透真を見る。

透「………良いだろう。ただし…コレクションは俺がいただく。これが条件だ」
ノ「『Oui.』」

場所は変わって中央料理専門学校にて透真が講師、ノエルとアリスがその助手として、料理を教えていた。
そして、今は講義が終了したところである。3人はエレベーター前でエレベーターが来るのを待っていた。

ノ「透真くん、素晴らしい講師ぶりだったねぇ」
透「囮として手を抜くわけにはいかないからな」
『それだけかな？』

3人がそう話していると、3人の講義を受けていた1人の男性が｢先生！｣と駆け寄ってきた。3人はその人を見る。

透「何か？」
男「先生の味付け良かったです！だから…」

男性はそこまで言うと、突然姿がギャングラーへと変化した。

ウ「このウシバロック様と来てもらうぜ！」

ウシバロック・ザ・ブロウはそう言いながら透真とノエル、アリスの順に腹を殴ると3人を気絶させる。ウシバロックは3人を抱えると窓から飛び降りた。
その様子を別のビルの上からレッドとイエローが見ていた。

イ「早速来たね、ギャングラー」
レ「俺らも行くぞ」