初めまして

─BISTROT Jurer─

店の扉が開く。

咲「こんにちは」
初「いらっしゃいませ」

来店してきたのは、ノエルとアリスを含めた圭一郎達だった。

圭「5人で」
初「はい！」

咲也、圭一郎、つかさの順に店内に入り、最後にノエルとアリスが店内に入る。

ノ「『Bonjour.』」
ノ「高尾ノエルです」
『霧矢アリスよ』
ノ「『はじめまして』」

そう挨拶する2人に初美花は｢え…？｣と首を傾げる。

初「はじめま…？」
透「初めてお目にかかるお連れ様方ですね？」
魁「うーん…えっと、俺とは初対面じゃないっすよね？圭ちゃん？」
圭「やはり覚えていたか」

圭一郎は皆で席に着いた後、事情を話す。

魁「へぇー。快盗の正体が…実は国際警察だったなんてね！」

魁利のそのセリフに圭一郎は咳払いをする。

圭「彼らは特別だ」
つ「悪いが…できれば内密に」

圭一郎達の座っているテーブルを初美花はカウンターの所で見ていた。

初「そっか…。快盗のウチらはアリスさんとノエルさんを知ってるけど、ジュレのウチらは知らないことになってんだ。あぁ…ややこしぃ…！」

初美花は小声でそう透真と話していた。

透「初美花」
初「？ああ…はい」

そんな初美花に透真は人数分の飲み物をお盆に乗せて差し出す。名を呼ばれた初美花は顔を上げて、それを受け取った。
初美花はテーブルに運んでいく。

透「まさか堂々と警察と一緒にジュレに来るとはな」

透真はそう零すと、自分の作業に戻る。

『あの時は驚かせてごめんなさいね？』
ノ「これからよろしく、魁利くん。それにえーっと、透真くんと…えーっと…」

初美花の名前が分からないといった様子を見せるノエルに咲也が｢初美花ちゃんです！｣と言う。

初「こちらこそ、よろしくお願いします！」

そう言って初美花はニコッと笑うとまたカウンターの方へ戻っていく。そんな初美花を咲也は見つめる。そして｢ﾊｧ…今日も可愛いなぁ…｣と呟く。それを聞いたアリスとノエルは咲也を見る。

ノ「咲也くん…君もしかして初美花ちゃんに…？」
咲「イェス、フォーリンラブです！」
ノ「あぁ…！なんて素敵なんだぁ！ね、アリス？」
『え、えぇ…』
ノ「人生に恋はつきものだよね、うんうんうんうん」

そう興奮気味に話し始めた2人を圭一郎はシラケたような目を向け、つかさは飲み物を飲み、アリスは時折ノエルに巻き込まれて律儀に返事をする。
ノエルは椅子を咲也の方に寄せる。

ノ「僕達も応援するよ！ね、アリス！」
『え？えぇ…まあ…。そうね、応援するわ』
咲「ホントですか！？」
ノ「僕を誰だと思ってるんだい？amour（アムール）の国から来た男だよ？」
咲「ありがとうございます！」
ノ「任してよ！」

2人が未だに興奮気味で話しているとつかさが｢2人｣と声をかける。咲也とノエルはつかさを見る。

つ「顔と動きがうるさい」

つかさがそう言い放つも2人はまた話し始めた。

つ「アリス、おまえも大変だな」
『ﾌﾌｯ そんな事ないわ。今みたいな生き生きとしたノエルを見るの、私は昔から好きなの』
つ「そ…そうか…」
『えぇ。ﾌﾌｯ』