荷が重い

バ「オペレーション開始」

バグスターウイルスに身を包まれた男子高生は美琴達から距離をとる様にして空中を漂い、バーニアの姿に変えて対峙する。
バーニアの姿に変化したゲーム病患者を前に表情を暗くしている永夢。その彼の前にゲーマドライバーを手にした飛彩が躍り出る。
飛彩はゲーマドライバーを腰に装着し、ガシャットギアデュアルβを手にする。

飛「オペを開始するぞ」
大「待て。てめえにレベル50（フィフティー）のガシャットは荷が重い。俺に寄越せ」
『(大我……)』

少しだけだが普段よりかは柔らかいもの言いの大我。

飛「無免許医、お前の存在はノーサンキューだ」

飛彩は大我にそう言い放ち、ガシャットギアデュアルβのダイヤルを回した。

TADDLE FANTASY！
Let's going King of Fantasy！

飛「術式レベル50、変身」

デュアルガシャット！
ガッチャーン！デュアルアップ！
タドル！メグル！RPG！
タドールファンタジー！

ブ「これより、バグスター切除手術を開始する」

ファンタジーゲーマーとなったブレイブは魔王の力でバグスターウイルス達をバーニアに向かわせ、自身もバーニアに向かっていく。

明「永夢も！」
永「はい」

永夢はマイティアクションXのガシャットを取り出す。しかし、それを持った手はガシャットを起動しようとしない。永夢はガシャットを構えた手をゆっくりと下ろす。そんな様子の永夢にそれを見ていた大我と美琴も異変を感じ取る。

明「永夢、どうしたの？」

「お前も早く変身しろよ…永夢」

明「パラド…」

パ「俺も参加させてもらうよ？」

パラドは手に持ったガシャットギアデュアルを前にかざす。

パ「2対2で勝負といこうぜ」

永「……できない」

永夢の予想外の言葉に皆が永夢を見る。

明「永夢？」
大「なら俺にガシャットを寄越せ」
明「ちょ…渡すわけないでしょ」

永夢の言葉に素早く反応した大我が永夢のガシャットに手を伸ばすも案の定、明日那に止められる。
そんなやり取りをしている間にブレイブがバーニアを追い詰めていた。ブレイブに押し負けたバーニアが地面を転がる。

バ「燃料切れか…一時着陸」

地面に倒れたバーニアの姿が次第に元の男子高生の姿に戻る。永夢と明日那が急いで彼の元に駆け寄る。
永夢と明日那が男子高生の両脇を支え連れていった後でブレイブが感染予防としてパラドクスと戦う。

ニ「あのパラド相手にいい勝負してんじゃん」
『それはどうかしら』
大「どこまでもつのか見ものだな」
ニ「確かに、この間も相当キツそうだったもんね。…あのガシャット使うの」

しばらく戦うブレイブとパラドクスを見ていた3人だが、やがてブレイブの限界が来てしまい、パラドクスは去っていく。
ブレイブの変身は強制解除され、パラドクスの姿が粒子となって消えたと同時に飛彩はその場に倒れた。

大我は倒れた飛彩に歩み寄っていく。美琴もその大我の後を追う。

大「だから言っただろうが。お前には荷が重いってな」

美琴が地面に転がったガシャットギアデュアルβを拾い、大我に手渡す。倒れた飛彩はそんな大我と美琴の姿を認めた後、意識を手放した。