何故

ある朝、聖都大学附属病院の屋上で永夢と飛彩、美琴、明日那が対面していた。

明「ねえ、どうしたの？そんな怖い顔して」
飛「俺は忙しい。話があるなら手短に言え」
『で？話は何？』
永「ゲンムが言ってたんです」

ゲ「バグスターに肩入れするとは…君の身体（からだ）がそうさせたか」

永「僕の身体って…どういう意味だと思いますか？」
『……』
飛「………」

大「自分がゲーム病だと知ったらどんだけのストレスになるか…想像もつかねえなぁ？」

永「飛彩さん！美琴さん！僕に何か隠してますよね？」
飛「『………』」
永「貴利矢さんも、飛彩さんも大我さんも美琴さんも…僕に何かを隠してた」

貴「なんで適合手術を受けずにエグゼイドに変身できたんだ？」

永「適合手術ってなんですか？なんで僕はエグゼイドに変身できたんですか？」
明「それは、天才ゲーマーだから…！」
永「じゃあなんで、こんなガシャットが僕から生まれたんですか？」

そう言って永夢はマイティブラザーズXXのガシャットを3人に突きつける。

明「それは…私にも分からない…」
永「飛彩さん、僕を攻撃した本当の理由を教えてください」
飛「俺もお前に話がある」
永「なんですか？」
飛「お前のガシャットを俺に寄越せ」
明「ちょっと飛彩、何言い出すの？」
飛「CRでの活動の為にもガシャットが必要だ」
永「話を逸らさないでください」

永夢はマイティブラザーズXXのガシャットをポケットにしまいながら飛彩に近づく。その時、永夢、飛彩、美琴の持つゲームスコープが一斉に鳴り出す。

明「救急通報！」
飛「俺が行く。ガシャットを」
永「僕が行きます」
飛「おい！」

永夢は飛彩が差し出していた手を払い除けながら救急通報が入った現場へと向かっていく。屋上を出ていく永夢を明日那も追いかけていく。
その場に残ったのは飛彩と美琴。

飛「ガシャットさえあれば、あいつのゲーム病を治療できるというのに…」
『……鏡、そんな簡単にいくと思わない方がいいわよ。ゲーム病の中にはほんの少しだけ特殊なものも存在するんだから…』
飛「どういう…」

美琴はそれだけ言い残すと屋上を出ていき、足早に永夢と明日那が向かった現場へと急いだ。