帰国

とある廃病院の前に1人の女が立っていた。その女─柊美琴はその廃病院の中へと入っていく。
美琴の履いているヒールの音が建物の中に響き渡る。

大「誰だ」

花家大我はヒールの音で廊下に出る。警戒していたのも一瞬のうちで、大我は美琴の顔を見ると瞬く間に警戒心を解く。

大「お前か。──美琴」
『えぇ。久しぶりね、大我』
大「帰ってたんだな」
『昨日にはね。この後から出勤よ。……ごめんなさい。私だけ…』
大「気にすんな。あれは俺の自業自得だ。お前が気にするのような事じゃない」
『病院に行く前に大我と話したかっただけだから…会えて良かったわ。それじゃあ』

美琴は大我の病院を出て、自身の勤務する聖都大学附属病院へと向かっていった。