妻の死体を運んだ男
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容疑者浮上
日が沈み、辺りが暗くなった頃、一同はもう一度集まった。
戻ってきた小宮山は机上に「建設工事施工統計調査」と書かれた冊子を置く。小宮山と共に戻ってきた村瀬がそれを捲り、皆に見てほしいページを開く。
村「海藤の地元の公共事業の受注先だ」
新「うわ、あれ?この会社だけダントツですね」
『ホントだ』
村「だろう?」
青「このグラフだけ異常だな」
新藤が指したのは「大路山建設」と書かれた場所。そこだけ他の建設会社よりも圧倒的に棒グラフの数値が高かった。
浅「村瀬さん、これって…」
村「そうだ。おそらく海藤はこの会社の優札に便宜を量ってた。賄賂を貰ってな」
小「これを牧村は隠そうとしていた。
加賀美の写真が撮られた時、海藤と牧村はあのホテルで会社のトップと会っていたの」
浅「これが、里美さんが追ってた記事…」
村「そう」
浅輪は少し思案すると口を開く。
浅「ちょっと、行ってきます」
唐突にそう言う浅輪に皆が困惑する。
青「おい、どこ行くんだよ?」
浅「いやぁ、ちょっと確認したいことがあるんですよ。被害者に1番近い人間に」
新「えっ、僕達は?」
新藤は戸惑い、自分と朱璃を交互に指す。浅輪はそれを気にせず、1人で八田の元に向かい、柴山の部屋を再び訪れた。
──────────────────────────
翌朝、小宮山と村瀬は目的の人物に声をかける。
小「寺川秀介さんですよね?ちょっとお話伺いたいんですが」
小宮山が警察手帳を提示しながら声をかけた人物は、柴山の後輩であった寺川だった。
寺「なんでしょう?里美さんの事なら──…」
村「海藤議員の秘書の牧村さん。勿論ご存知ですよね?」
村瀬の口から放たれた名前に寺川は表情を変える。
小「里美さんが追っていたのは加賀美じゃない。海藤議員と大路山建設の贈収賄疑惑。…違いますか?」
村「贈収賄事件の場合、贈賄側の時効は3年ですが収賄側の時効は5年です。時効を迎えた贈賄側が収賄の事実を告発することも多いんですよ。
あなたとあなたの会社はもう既に時効を迎えてるから処罰される事はありませんよね?しかし、相手はまだ2年残ってる」
小「里美さんはそのタイムラグを利用して、海藤を告発しようとした。それで、後輩のあなたに協力を頼んだんです」
小宮山と村瀬は寺川を警視庁の取調室まで連行し、取り調べを始めた。
村「里美さんのマンションのクローゼットから犯人のものと思われる毛髪が発見されました」
寺「あなたのDNAサンプル、採取させて貰えませんか?」
村「寺川…!」
今までずっと黙っていた寺川は漸く口を開き、供述を始める。
彼曰く、殺すつもりは無かったらしい。
柴山が以前、海藤と大路山建設の社長が密会している所を目撃し、その後、両者の贈収賄疑惑を密かに調べていたそうだと言う事。寺川の役割は上からの命令で相手に金銭を運ぶ事だったと言う事。1年半くらい前に柴山に呼び出され、海藤達を告発する為に力を貸して欲しいと頼まれ、断りきれなかったという事。彼女に協力し、その後も頼まれて社内の極秘資料などを流したという事。
小「そして贈賄側の時効か成立し、里美さんは記事を公表しようとした」
村「公表されてもお前が被害を被ることはなかったはずだ。なのになんで彼女を殺した?」
寺「………あの人が悪いんですよ」
村「は…?」
日が沈み、辺りが暗くなった頃、一同はもう一度集まった。
戻ってきた小宮山は机上に「建設工事施工統計調査」と書かれた冊子を置く。小宮山と共に戻ってきた村瀬がそれを捲り、皆に見てほしいページを開く。
村「海藤の地元の公共事業の受注先だ」
新「うわ、あれ?この会社だけダントツですね」
『ホントだ』
村「だろう?」
青「このグラフだけ異常だな」
新藤が指したのは「大路山建設」と書かれた場所。そこだけ他の建設会社よりも圧倒的に棒グラフの数値が高かった。
浅「村瀬さん、これって…」
村「そうだ。おそらく海藤はこの会社の優札に便宜を量ってた。賄賂を貰ってな」
小「これを牧村は隠そうとしていた。
加賀美の写真が撮られた時、海藤と牧村はあのホテルで会社のトップと会っていたの」
浅「これが、里美さんが追ってた記事…」
村「そう」
浅輪は少し思案すると口を開く。
浅「ちょっと、行ってきます」
唐突にそう言う浅輪に皆が困惑する。
青「おい、どこ行くんだよ?」
浅「いやぁ、ちょっと確認したいことがあるんですよ。被害者に1番近い人間に」
新「えっ、僕達は?」
新藤は戸惑い、自分と朱璃を交互に指す。浅輪はそれを気にせず、1人で八田の元に向かい、柴山の部屋を再び訪れた。
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翌朝、小宮山と村瀬は目的の人物に声をかける。
小「寺川秀介さんですよね?ちょっとお話伺いたいんですが」
小宮山が警察手帳を提示しながら声をかけた人物は、柴山の後輩であった寺川だった。
寺「なんでしょう?里美さんの事なら──…」
村「海藤議員の秘書の牧村さん。勿論ご存知ですよね?」
村瀬の口から放たれた名前に寺川は表情を変える。
小「里美さんが追っていたのは加賀美じゃない。海藤議員と大路山建設の贈収賄疑惑。…違いますか?」
村「贈収賄事件の場合、贈賄側の時効は3年ですが収賄側の時効は5年です。時効を迎えた贈賄側が収賄の事実を告発することも多いんですよ。
あなたとあなたの会社はもう既に時効を迎えてるから処罰される事はありませんよね?しかし、相手はまだ2年残ってる」
小「里美さんはそのタイムラグを利用して、海藤を告発しようとした。それで、後輩のあなたに協力を頼んだんです」
小宮山と村瀬は寺川を警視庁の取調室まで連行し、取り調べを始めた。
村「里美さんのマンションのクローゼットから犯人のものと思われる毛髪が発見されました」
寺「あなたのDNAサンプル、採取させて貰えませんか?」
村「寺川…!」
今までずっと黙っていた寺川は漸く口を開き、供述を始める。
彼曰く、殺すつもりは無かったらしい。
柴山が以前、海藤と大路山建設の社長が密会している所を目撃し、その後、両者の贈収賄疑惑を密かに調べていたそうだと言う事。寺川の役割は上からの命令で相手に金銭を運ぶ事だったと言う事。1年半くらい前に柴山に呼び出され、海藤達を告発する為に力を貸して欲しいと頼まれ、断りきれなかったという事。彼女に協力し、その後も頼まれて社内の極秘資料などを流したという事。
小「そして贈賄側の時効か成立し、里美さんは記事を公表しようとした」
村「公表されてもお前が被害を被ることはなかったはずだ。なのになんで彼女を殺した?」
寺「………あの人が悪いんですよ」
村「は…?」